《ブラジル》MN有機しょう油に金賞=エスタード紙グルメセクション
モジダスクルーゼス市に本社を置くMNプロポリス社(和田カルロス社長)が製造・販売する有機しょう油が、エスタード紙のグルメセクション「パラダール」の実施したしょう油のテイスティング審査で金賞を受賞した。審査結果は2日に同紙で報道され、以後、販売部には通常の2~3割増の問い合わせが続いているという。 同社はパラダール担当者から報道の前日に突然電話で受賞の知らせを受けた。松田典仁代表取締役会長(87、群馬県)は、記事掲載後に受賞を知り、「びくっとした。まさかエスタドンがそのようなことをやるとは思わなかった。受賞のニュースを聞いた夜の一杯はおいしかった」と笑顔をこぼす。 パラダールのテイスティングは編集部が100%主導し、ブラジルで市販されている様々な食品を対象に定期的に実施されている。今回は14銘柄のしょう油が審査され、金賞がMNフード、銀賞がキッコーマン、銅賞がアヒファナ(Arrifana)となった。 サンパウロの日本食店イマカイ(Imakay)で実施され、審査員にはアジア料理に精通したイマカイのダニーロ・ゴンサルベス氏、Sōzai Japanese Deliのトーヤ・ヤマシタ氏、Jojoラーメンのシモーネ・シラタ氏、韓国料理店Portal da Coreiaのレジーナ・ファン氏、コンサルティングシェフのエイジ・トミマツ氏が招待された。評価は見た目、粘稠度、味、香りの4つの基準に基づき、しょう油のみとマグロの刺身につけた際の味が審査された。同紙では、「有機大豆と小麦、水、海塩の4つの材料だけで自然発酵し、色は淡く、食感が良く、心地よい芳醇な香りが特徴。口に含むと、程よい塩気と旨みが広がる」とコメントしている。 「2020年にもエスタード紙で6銘柄のしょう油の評価が報道されたが、今回は反響が明らかに大きい」と和田社長は言う。日本の伝統製法で100%自然発酵、保存料・添加物不使用で生産している有機しょう油は、ブラジルでは同社のみである。有機しょう油は2018年の販売開始以来、好評を得てきたが、パラダールでの金賞はアジア料理の専門家に評価されたことで、「品質と信頼」のブランドとしての地位が再認識された。 「刺身や和食を食べる時、自分が満足するしょうゆを作りたかった」という松田氏が、原料は通常価格の3倍以上であっても有機大豆にこだわり製造してきたしょう油は、現在、1カ月約8千リットルが販売されている。顧客の大半はラーメン店が中心で、ブラジルでは人口当たりのラーメン店が最も多いパラナ州クリチーバの店でも、同社のしょう油と味噌の需要が伸びている。 これまでブラジルには日本の様なしょう油の製造に関する規制がなく、様々な製品が製造されてきたが、日本食ブームでしょう油が身近になったことから、協会を設立してブラジルでの品質向上に努めようという動きも出てきている。