【40代・50代のビタミンD活⑧】ビタミンDについての素朴な疑問! もっと教えて、斎藤先生!
Q6. ビタミンDは、新型コロナやインフルエンザの感染予防に効果があるって本当?
「ビタミンDは、気道、呼吸器で抗菌ペプチドという天然抗生物質の分泌を調整しています。特にコロナ禍以降、インフルエンザや新型コロナ感染症のリスクを軽減するという論文が多く出てきました。 例えば、この連載で何度か登場するホリック博士の論文。 米国の19万人以上を対象に2020年3月~6月に新型コロナ感染症のPCR検査結果について調べた大がかりな研究では、ビタミンD血中濃度との関係を解析したところ『ビタミンDの血中濃度が高いほど新型コロナ感染症に感染しにくい』ということが判明しました」
Q7. 骨粗しょう症の薬に加えて、ビタミンDサプリを飲んでもいいですか?
「日本で骨粗しょう症の薬として使われているビタミンDは『活性型ビタミンD』といいます。 処方薬の活性型ビタミンD製剤は、ダイレクトに腸管からのカルシウム吸収を高め、骨の石灰化を促進して骨密度を増加させる働きをします。治療として即効性がある分、飲み方に注意しないと血中濃度が上がりすぎて、高カルシウム血症になったり尿管結石ができることもあります。 一方、サプリメントのビタミンDは、ビタミンD3かD2で、『不活性型ビタミンD』『天然型ビタミンD』などと呼ばれます。肝臓で活性化前のビタミンD(25OHビタミンD)に変換され、全身を巡り、適宜活性化されます。 薬とサプリを併用してもかまいませんが、念のために主治医に確認をとってからにしましょう。ふたつは相乗効果というより、役割が違う別のものとして、それぞれの最適量を摂取することが重要です」
Q8. ビタミンDを過剰に摂取すると、どんなことが起きるのですか?
「厚生労働省の『日本人の食事摂取基準2020年版』の耐容上限量100μg(4000IU)以内であれば、過剰症のリスクはありません。 ビタミンDの副作用としては、カルシウム吸収が過剰になることで動脈硬化や腎障害などが生じる可能性が考えられます。 250µg(10000IU)を1年間毎日摂取すると高カルシウム血症などの副作用が生じるという報告もありますが、ビタミンDが充足していない人が数日間摂取する分には問題ないと考えてかまいません。 もし、長期間にわたり250µg(10000IU)を摂取したい場合は、血中カルシウム濃度や副甲状腺ホルモン、もちろんビタミンD血中濃度もモニタリングしてもらいましょう」