おはぎ専門店の店主が語る「海外からも注目され始めたスーパーフードの実力」
◇運動後のリカバリーフードとしても最適なおはぎ 栄養価が高く「グルテンフリー」で「ヴィーガン対応」なおはぎ。そもそも、本業では、放送作家として活躍されていて、飲食店の経営に関しては「素人です」と語る宇野さんが、おはぎの専門店をオープンするに至ったのは、どういう経緯があったのだろうか。 「おはぎにハマって食べ回っていたころ、たまたま出張で東京に来ていた中学時代の友人に会ったのですが、その友人の実家が製餡所だったんです。そういえば、小さい頃から、その製餡所のあんこを食べていたな、と思い出しました。 その友人から、お父さんが“みんなでまた、あんこを炊きたかった”とレシピを残して亡くなった、という話を聞いて、運命のようなものを感じて、変なスイッチが入ったんですよね。“これはお告げや! 俺がやるしかない!”と。 すぐに、日帰りで地元の大阪に帰って、共通の友人が営む割烹の厨房を借り、お父さんのレシピをもとに、3人で理想のあんこを作り始めたんです。この時点でおはぎ屋さんを出すなんて何も決まってなかったのですが、あんことおはぎに対する熱量だけで、自分たちが求めるあんこ作りを続けていました。 ここで新たな点がつながるのですが、先輩と食事をしているときに、和菓子屋さんを営んでいる方と知り合ったんです。その方に、頭の中にぼんやりとしかなかったおはぎ専門店のお話をしたら、“そんな熱量があるなら!”と、そこから縁が広がっていって、協力してくれる方がたくさん現れました。こうして皆さんに助けられながら『の・はぎ』をオープンするに至ったんです」 体づくりに最適のスーパーフード「おはぎ」。『の・はぎ』の特徴について聞いた。 「甜菜糖(てんさいとう)をはじめとした数種類の糖をブレンドして、あんこを作っています。白砂糖を使わないことで、GI値が低くなる(食後の血糖値が上昇しにくくなる)など、体への負担がより少なくなるんです。 また、お米の部分にはキビを混ぜていて、食感も楽しんでもらえますし、食物繊維やビタミンBも豊富に摂取できるように考えました。試作を何度も繰り返し、美味しく、体に良いもので作ることを追及しました」 言う通り、色鮮やかな「たんかん(ポンカンとネーブルオレンジの交配種)」などのおはぎもあるが、すべて着色料不使用とのこと。 「フルーツを使ったおはぎも作っているのですが、ただ色を鮮やかにするための着色料は、一切使っていません。見た目の良さ、味にもこだわりながら、やはり体に良いものだけで作る、ということをブレずにやっています。もちろん、大失敗も繰り返しながらですけどね(笑)」 お客さんには、モデルやアスリート、パーソナルトレーナーなど、体づくりのプロも多くいるという。 「甘さひかえめながら、良質な糖質・たんぱく質が含まれていることから、おやつはもちろん、運動後のリカバリーフードとして食べていただいているようです。先日も、過酷な減量を終えた格闘家の方が、公開計量のあとリカバリーフードとして、うちのおはぎを食べてくださったのがとてもうれしかった。 和菓子を好きな人は多いけれど、実際に和菓子を食べる機会が少ないのではないか、と感じているんです。もっと気軽に食べられるものにしたいと、うちの店ではおはぎは小さくお洒落にしましたし、今はおはぎ以外の商品も販売するようになりました。 商品のビジュアルや包装にもこだわっています。おはぎや黒蜜シェイクを『の・はぎ』で買って、楽しみながら通りを歩くように、食べるシーンを少しお洒落にできたらいいな、と思っています。お洒落で、しかも体に良いものを手軽に食べる、和菓子ってイケてるやん!っていうカルチャーを作っていきたいです」 (取材:三郎丸 彩華)
NewsCrunch編集部