亀田興毅氏が挑戦した新スタイルBOX興行の収穫と課題…兄弟世界王者を狙う力石、元世界王者宮崎の5年ぶり復活ドラマを生むも
プロボクシング元世界3階級王者の亀田興毅氏(35)がプロモートする旗揚げ興行「3150(サイコー)ファイトvol.1」が16日、メルパルクホール大阪で開催された。メインカードではWBC世界ライトフライ級王者・矢吹正道(29、緑ジム)の実弟で日本スーパーフェザー級6位の力石政法(27、緑ジム)が元東洋太平洋スーパーバンタム級王者のロリ・ガスカ(32、陽光アダチ)に4R終了のTKO勝ち。元WBA世界ミニマム級王者・宮崎亮(33、3150ファイトクラブ)も5年ぶりの復帰戦を3RTKO勝利で飾っているが、収穫と課題が見えた大会となった。
矢吹の弟の力石はリングで爆弾発言
兄弟での世界王者を目指している力石にとっては不完全燃焼の復帰戦となった。元東洋太平洋スーパーバンタム級王者でフィリピン出身のロリ・ガスカの巧みなディフェンスと時折見せる豪快なパンチの前に大苦戦。それでも、3回に右ボディーでようやくダウンを奪うと、4回も左右の連打でポイントを奪取する。5回に開始のゴングがなったところでガスカが”ガス欠”で棄権し、何とかTKO勝ちした。 これで10勝(6KO)1敗とした力石は、昨年11月の試合で左中手骨を骨折しており、それ以来の実戦。セコンドについていた実兄の矢吹には「右のパンチが少なかった」と指摘されたと言い「1年ぶりの復帰戦で勝てたのは良かったが、勝負は微妙でした。くねくねした相手に対して倒しきれなかったのは自分の力不足。点数を付けると20~30点です。相手がピンピンしていた」と反省しきりだった。 気の毒な面もあった。当初フィリピンのWBAアジア・スーパーフェザー級王者ロルダン・アルデア(27)との対戦が組まれていたが、オミクロン株の影響で来日ができず、対戦相手が2週間前に変更。長身サウスポーから右の変則テクニシャンに変わっていた。 「スパーリングもサウスポーとやり、対策ができていたのは確か。ただし、モチベーションも維持できていたので、対戦相手が変わったことを言うと言い訳になる。相手は背が低くてやりづらかったし、元東洋チャンピオンだけあってディフェンシブでうまかった」