松本人志の「2025年芸能界復帰説」が否定されるこれだけの理由 テレビプロデューサーの視点
●NetflixやAmazonプライムビデオの復帰が難しいワケ
次に考えられるのは、地上波テレビ以外のフィールドにおける芸能活動によってイメージ回復を図る方法だ。たとえば、NetflixやAmazonプライムのような動画配信であれば、出演が可能なのではないかとは誰もが考えるだろう。 松本さんのキャラクターや芸風は、動画配信と相性がよいと思われる。 現在の地上波は「面白さより、人柄が良くて共感を持てる芸人」を望んでいる。ブレイクした「やす子」さんが多く起用されているのは、好感度が高いからだ。 松本さんは好感度よりも、尖った面白さが強みの芸人だ。有料のネット配信番組で「見たい熱烈なファンが見る」コンテンツのほうがのびのびと活動できそうだ。 ただ、現状では、有料配信動画で復帰するにも大きな壁があると言わざるを得ない。NetflixやAmazonプライムなどの配信大手はアメリカに本社がある外資だ。外資系企業のコンプライアンス基準は日本企業よりもはるかに厳しい。 女性への性加害問題で「グレーな状況にある」人物の起用には消極的だと考えられ、実は地上波に復帰するよりハードルが高いかもしれない。 ABEMAのような日本資本の配信プラットフォームなら復帰の可能性はあり得るかもしれない。ABEMAの方針は「面白ければなんでもあり」というものだし、喜んで松本さんを出演させそうだ。 一方で、ABEMAには「若手芸人や"ちょっと難あり芸人"が出演するところ」という若干のB級イメージが漂うので、肝心の松本さん側があえて出演しようとするかどうか。 配信ではなく、地上波でもいわゆる「独立局」と呼ばれる「チバテレビ」とか「サンテレビ」「東京MX」のようなキー局より規模の小さなローカル局では、比較的出演のハードルが低いと考えられる。 かなり番組編成に自由度はある。とはいえ、コンプライアンスの基準はそれなりに厳格な部分がある。現実的には、オファーをしても、局側に断られる可能性は十分にある。 「独立局に出演をオファーして断られた」との事態になり、記事にでも書かれれば、タレントイメージにかなり大きなダメージを受ける恐れもある。松本さんサイドからしても「ついにそこまで落ちたかと思われたくない」という気持ちが強く働くと思われる。