【毎日書評】自然と相手の心のガードを外す「ずるい聞き方」3つのテクニック
仕事においてもプライベートにおいても、会話を通じたコミュニケーションはとても重要。とはいえ、会話に苦手意識をお持ちの方は決して少なくないはずです。しかも『ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ』(山田千穂 著、朝日新聞出版)の著者によれば、コミュニケーションが苦手な人ほど「話し方」にばかり気をとられがちなのだとか。 でもよく考えてみてください。どんなに話し上手な人でも、相手がその話をどう受け止め、何を考え、何が言いたいか聞き出さなければ、すれ違いが生じてしまいます。 コミュニケーションは一方通行では成り立ちませんから、話す前に聞くことが大事なのです。 相手が心を開いて、本音を語り出すほどの信頼を得るためには、「聞き方がすべて」と言っても過言ではありません。(「はじめに」より) 渋谷109内のアパレルショップの「カリスマ店員」を経て、週刊誌記者になったという異例の経歴の持ち主。当然ながら接客業と記者業ではコミュニケーションの仕方が異なりますが、とはいえ販売員時代の経験が記者業にも生かされていると気づいたこともあったのだといいます。 それは、初めて会った相手にも気持ちよく話してもらい、こちらが聞きたい話を引き出し、好印象を持ってもらうという点だそう。 そのためには、相手の心のガードを外し、自然と懐に飛び込み、つい本音を話したくなるような聞き方をしなければいけません。 しかも、「言わされた」「問い詰められた」「誘導尋問された」といった遺恨やわだかまりを残すことなく、また会いたいと思われる関係性を維持する必要があります。 この一見相反することを可能にする聞き方の「ワザ」を、私は今までの経験で磨き上げてきました。そこで本書では、そのワザを総称して「ずるい聞き方」と名付けることにしました。(「はじめに」より) もちろん相手を騙そうという意味ではなく、相手への敬意があってこその裏技だといいます。第3章「心のガードを一瞬で外すワザ」のなかから、いくつかをピックアップしてみましょう。