5歳以下の子どもにリスク「インフルエンザ脳症」死亡率10% 重症化、後遺症が残ることも 気付くポイントは「異常に怖がる」「視線が合わない」
インフルエンザが長野県内で流行している。12月30日から1月5日の定点当たりの届け出数は47.92人と前週から増加し、北信地域では92.25人に達した。学校再開に伴い、さらなる感染拡大が懸念される中、特に子どもに危険な「インフルエンザ脳症」のリスクが高まっている。専門家は予防接種の重要性を強調し、早期発見のための注意点を指摘している。 【画像】「インフルエンザ脳症」シーズンごとの報告数
猛威を振るうインフルエンザ
長野県内のインフルエンザ患者数が増加している。先週(12月30日から1月5日)の県内の定点当たりの届け出数は47.92人で、前の週から0.18人増えた。 保健所別では、北信92.25人、木曽91人、飯田89.17人などとなっている。 県は、年末年始で休んでいた医療機関が多いため、実際の患者数はもっと多い可能性があるとしている。
「脳症」5歳以下は要注意
学校再開に伴い感染拡大が続くと、特に子どもを中心に「インフルエンザ脳症」のリスクが高まる。 いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は、「お子さんは本当に1日2日で急変してしまうことがありますので、主に5歳以下の乳幼児にインフルエンザ脳症は起こるんですけども、後遺症が残ってしまう場合もありますので、最も嫌な症状であると言えます」と警告している。
死亡リスク1割も
インフルエンザ脳症の症状について、伊藤院長は「発熱後1日以内にけいれんと意識障害が出現して、全身の臓器障害が出てくることがある。続いてショックや心肺停止となることがあり得る。約10%ほどが死亡に至ることがあると言われる」と説明している。 国内では毎年100例以上の届け出があり、死亡例も10例前後ある。 長野県でも、コロナ禍前は毎年1、2例ほど確認され、2019年には小学生2人が脳症で死亡している。
ワクチンで予防を
予防策として、伊藤院長は「インフルエンザワクチンが数少ないインフルエンザ脳症の予防と言われている。ワクチン打ったら必ずならないとは言えませんけど、かなり確立を下げることができると思う。2回接種していない場合には、ぜひ接種を検討していただいてもいいのかな」と話す。
異常な行動に注意
インフルエンザ脳症の初期症状として、伊藤院長は「視線が合わない」「いつもと反応が違う」「異常に怖がる」「モノの区別があやふやで食べ物でないものを食べてしまう」「幻覚が見えている様子」などを挙げている。 これらの症状がすべてインフルエンザ脳症を意味するわけではないが、初期症状の可能性があるため、注意深い観察が必要だとしている。 (長野放送)
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