SCSK、製造業の標準EDIに準拠した調達購買Web-EDIサービス「スマクラBDX 調達購買Web」を提供
SCSK株式会社は3日、製造業の標準EDIに準拠した調達購買Web-EDIサービス「スマクラBDX 調達購買Web」を提供を開始した。製造業の業界標準であるECALGAに準拠した、カスタマイズ不要のFit to Standard型サービスで、顧客の調達購買業務において電子化による業務効率化を支援するとともに、サプライチェーンの強靭化、サプライヤーとのコミュニケーション強化といった課題解決にも寄与するとしている。 SCSKでは、製造業界では調達購買部門における働き手の高齢化や人員不足、属人化の課題を解決するため、取引業務の電子化ニーズが増加していると説明。一方で、先行してEDIシステムを自社構築した企業では、老朽化に伴うシステム更改の多額なコスト負担が課題となり、更改に向けた検討が進まない状況にあるという。 こうした課題に対し、SCSKは「40 年にわたる企業間取引サービスの提供実績による知見」と「最新のIT技術を取り入れたFit To Standard型のアプリケーション開発」などを活用し、短期間で調達購買業務の効率化やDX化を実現するため、スマクラBDX 調達購買Webのサービスを提供するとしている。 スマクラBDX 調達購買Webは、業界を問わず企業間取引に共通で必要な機能群(サプライヤーポータル機能・電子契約機能・ECM情報連携機能・災害対策機能・電子帳簿保存法対応機能など)をオールインワンで提供するSaaSに加えて、製造業固有のEDIメッセージに対応する機能を追加したSaaSを組み合わせたサービス。 サービスは、ワンプラットホームで「製造業における調達業務の電子化」や「間接部門に係る業務のDX化」などに必要な機能をオールインワンで提供する。顧客は、自社の課題に合わせて複数機能の中から必要な機能を選択し、システム上で設定するだけで導入できるため、短期間でリーズナブルかつ高品質に利用を開始できる。また、年に数回の機能拡充・法制度への対応などのバージョンアップを行うサービス方針により、顧客に常に最新の機能を提供する。 発注企業側のメリットとしては、取引データが連携されることで、基幹システムへ伝票を手動で登録する手間が省け、サプライヤーとのデジタル化を短期間で実現できる。加えて、企業間取引の課題を解決する機能をオールインワンで提供し、調達購買部門のDXを確実に実行できるようにする。 サプライヤーのメリットとしては、発注予定情報などをタイムリーに把握できるため、適切な在庫管理、生産管理を行える。また、検収・請求もデータで連携されるため、仕入計上・会計業務の精度向上や業務効率化が図れる。 ECALGAに準拠したEDIメッセージを、製造業のEDIに必要な「業務テンプレート」として用意する。この「業務テンプレート」を「Fit To Standard」で導入することで、リリースまでの期間を大幅に短縮できる。さらに、ローコード開発ツールによるサービス基盤のため、画面レイアウトの変更、画面への表示項目や名称の変更、多言語対応などの設定変更を容易に行える。これらの特徴により、顧客のニーズに合わせたシステムの構築・変更を迅速かつ柔軟に行える。 企業間取引に必要な機能についても、スマクラBDXはサプライヤーポータル機能や、電子契約機能、ECM情報連携機能、災害対策機能、電帳法対応機能などをオールインワンで提供し、調達購買部門のDXをリーズナブルかつ短期間で実現できる。 さらに、サービスは「継続的な課題解決領域の拡大」をサービスコンセプトに掲げており、ECALGAの規格改訂への対応や、市場環境の変化や顧客のご要望をもとに、調達購買部門の業務効率化を実現する機能(取引実績のスコアリングによる購買正常化チェックや、契約書のリーガルチェックなど)のバージョンアップを図っていくとしている。 スマクラBDX 調達購買Webの料金は、初期費用が500万円から、月額費用が20万円から。SCSKでは、2030年3月までに100社の導入を目指す。
クラウド Watch,三柳 英樹