有馬記念は大本命ドウデュース衝撃の“ハ行”取り消しでラストランを走らず“引退”となり大混戦必至…勝つのはどの馬だ?
第69回有馬記念(22日・中山競馬場)で史上3頭目の秋3冠、そして連覇を狙っていた大本命のドウデュース(牡5、友道康夫厩舎)が右前肢ハ行のため、まさかの出走取り消しとなり、同レースは15頭で争われることになった。史上最多のファン投票1位で選出され、ここがラストランだった主役が不在となり、急転、大混戦模様となった。勝つのはどの馬か。なお当日予定されていたドウデュースの引退式は中止されることになったが、このまま17戦目を走ることなく引退となる。 【画像】人気女性ジョッキーの電撃引退を招いたJRAの“落ち度”と曖昧ルール
いまや国民的行事となっている師走のビッグレースを前に衝撃が走った。枠組みを決める前日の公開抽選でJRAのCMにも出演している女優の長澤まさみさんが、いきなり引き当てて1枠2番となり、レース本番を2日後に控えた20日の午後。ファン投票で最多の47万8415票を集め、1番人気が確実視されていた大本命馬のドウデュースの出走取り消しが発表された。 1週前の調教では、ラスト11秒0でフィニッシュ。コンビを組む武豊騎はラストランを前に「もう1年乗りたいね」と口も滑らかだった。 最後の仕上げは担当の助手が騎乗し、併せ馬をいつものポリトラックコースで気持ちよさそうに駆け抜け「完璧ですよ」と報告された。 それなのに…。陣営によると、ドウデュースはこの日朝も栗東Cウッドコースに入り、キャンター調整。その後、いつものようにプールへ向かおうとしたところで歩様に乱れが生じ、右前肢ハ行と診断された。 ハ行とは跛行(はこう)とも書かれ、JRAの公式によると「歩様に異常をきたしている状態」を示し「負重するときに疼痛を示すもの(支柱跛行)、肢の挙楊時および前進時に疼痛を示すもの(懸垂跛行)、両方が混在する跛行(混合跛行)がある」という。 原因には、「骨、腱、関節、筋肉、神経等の異常が考えら、一方、原因がはっきりしない場合、原因があると推測される部位により前肢跛行、後肢跛行(腰部に原因)と呼ばれることもある」とされている。 人間で言えば、軽い筋肉痛で、競馬ではよくある取り消しの理由。今年の4月の皐月賞で出走直前に除外となったダノンデサイルも同じ症状だった。馬によってはそのまま走りきることもあるが、この異変に気づかずにレース出場を強行すると大怪我につながる。 ドゥデュースはすでに名馬の域に達し、武豊騎手が「本当にタフ。状態が悪かったことがない」と感心していたほどだったが、さすがに10月に天皇賞、11月にジャパンカップと続けて激走して勝った秋2戦の疲労が蓄積していたのだろう。 これを受けドウデュースを所有する「キーファーズ」の松島正昭オーナーは同社のホームページ上で「ドウデュースファンの皆様へ」とコメントを発表。無念さと感謝の思いを伝えた。 勝てば、史上5頭目の有馬記念連覇。さらに史上3頭目となる同一年の天皇賞・秋→ジャパンカップ→有馬記念制覇という秋古馬GⅠ3冠達成、そして歴代賞金王も手にするところだった。
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