座っている椅子を蹴られ転倒、小5が手首捻挫や左肘打撲…60代の男性非常勤講師「なぜ蹴ったかわからない」
仙台市の市立小学校で6月、60歳代の男性非常勤講師が5年生の男子児童が座っていた椅子を蹴り、転倒させてけがを負わせていたことが、同校などへの取材で分かった。講師は28日付で依願退職した。
同校などによると、講師は6月13日午後、理科室で理科の授業中、児童が座っていた丸椅子を蹴った。男児はあおむけに倒れ、手首の捻挫や左肘の打撲など全治2週間のけがをした。
保護者から連絡を受けた学校が14日に調査を開始。最初は「椅子を足で押しただけ」「児童が転倒した様子は見ていない」としていたが、調査が進むと蹴ったことを認め、「男児が椅子を前に傾けて座っている姿が気になった。なぜ蹴ったかはわからない」と説明した。講師と校長は21日、児童と保護者に謝罪した。
児童の父親は取材に「次の被害者を生まないためにも学校は児童、保護者らが納得できる説明、対応をしてほしい」と求めた。校長は「明らかに不適切な行為。市教育委員会とも相談の上、保護者会の開催などを検討する」と話した。
郡和子市長は2日の定例記者会見で、「児童、保護者の方々に嫌な思いをさせ、申し訳なく思う」と陳謝した。