WSL史上初のデビュー戦ハットトリック。清家貴子がブライトンで目指す即戦力「ゴールを取り続けたい」
チームメートから受ける刺激「度肝を抜かれた」
――対戦相手も含めて、同じFWのポジションで刺激を受けた選手はいますか? 清家:もともと、WSLの選手をあまり知らなかったんです。だからこそ、練習も試合も、ビビらずにやれているのはいいんですが……。(マンチェスター・)シティの選手などは有名な人が多いから、試合中のマークも、背番号で言ってほしいんですけど、「○○選手!」という感じで、みんな名前で言うから分からなくて、今覚えているところです(苦笑)。 チームメートでは、チェルシーから移籍してきたイングランド代表のフラン・カービー選手には刺激を受けました。(浜野)まいかから「すごい選手で、びっくりすると思います」と聞いていたので、何がすごいんだろうなぁと思っていたら、打つシュートがゴールの四隅にバンバン決まるんですよ。それは度肝を抜かれましたね。 ――イングランド代表では、マンチェスター・ユナイテッドから移籍してきたニキータ・パリス選手も、国際大会で日本がそのスピードに苦しめられてきた選手の一人、という印象があります。 清家:ニキータは同居人なんですよ。 ――そうなんですか! 清家:自分はもともと一人暮らしを考えていたんですが、英語を話せるようになるためには、チームメートと一緒に住んだほうがいいなと思ってお願いして、共同生活をさせてもらうことになったんです。クラブが提供してくれている広い一軒家に2人で住んでいるんですが、ニキータは優しくて、毎晩イングリッシュティーを作ってくれるんですよ。 ――ほっとするエピソードですね。英語でどんな話をしているんですか? 清家:ニキータは毎晩、サッカーの試合を見ているんです。テレビで男子の試合や平日もやっているチャンピオンズリーグなどを見ているので、2人で紅茶を飲みながらサッカーを見て話しているんです。おかげで、サッカーも英語も学べています。 <了>
[PROFILE] 清家貴子(せいけ・きこ) 1996年8月8日生まれ、東京都出身。三菱重工浦和レッズレディースのジュニアユース、ユースを経て、2015年にトップチームに昇格。スピードと決定力を生かしてサイドハーフ、サイドバック、ウィングバックなどでプレーの幅を広げ、2023-24シーズンのWEリーグで得点王、ベストイレブン、MVPの個人3冠を受賞した。今夏のパリ五輪では4試合に出場。大会後にWSL(女子スーパーリーグ)のブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンWFCに移籍。デビュー戦となった9月21日の開幕戦・エバートン戦でハットトリックを記録する好スタートを切り、9月のWSL月間MVPを受賞。2023年AFC年間優秀選手賞を受賞した。
インタビュー・構成・撮影=松原渓[REAL SPORTS編集部]