WSL史上初のデビュー戦ハットトリック。清家貴子がブライトンで目指す即戦力「ゴールを取り続けたい」
今夏、浦和からイングランド1部・WSL(女子スーパーリーグ)ブライトンに加入した清家貴子が、新天地で着実に足跡を残している。9月21日、エバートンとのリーグ開幕戦でハットトリックを記録。個の強さとゴールのバリエーションの多さを披露し、クラブ史上初のWSL月間MVPを受賞した。一方、大量補強で新たなスタートを切ったチームで、レギュラーに定着するハードルは低くないようだ。パリ五輪を境に環境が大きく変わった中、清家はイングランドでどんな日々を送っているのか――。現地・ブライトンのカフェで話を聞いた。 (インタビュー・構成・撮影=松原渓[REAL SPORTS編集部]、トップ写真=ZUMA Press/アフロ)
WSL史上初のデビュー戦ハットトリックで月間MVPに
――ブライトンに加入して、開幕戦から公式戦5試合を戦いましたが、環境や、チームメートの雰囲気には慣れましたか? 清家:慣れてきました。チームメートはみんな温かくて、すぐに馴染めたので、その点ではまったくストレスはありませんでした。英語がしゃべれない状態でイングランドに来たんですけど、クラブが英語の先生を雇ってくれて、週に1、2回勉強しています。最近はチームメートと単語でコミュニケーションが取れるようになりました。 ――エバートンとの開幕戦では、ハットトリックという最高のデビューを飾りました。遠目からの思い切ったシュートが多かったですが、実感としてはどのぐらいのパフォーマンスが出せた手応えがありますか? 清家:それまでの練習や練習試合の中でWSLのいろんなチームと対戦して、こっちでも十分戦えるとは感じていましたし、シュート練習はかなりやってきたので、まぐれという感じではなく、今の自分ができる100パーセントのパフォーマンスが出せた手応えがありました。さすがにハットトリックは出来すぎだったかなと思いますが(笑)。1点目のループシュートは、今まで浦和でも決めていた形ですが、3点目のシュートは目の前にスペースがあったので、思い切り強いシュートを蹴ろうと思ったらいいコースに飛んでくれました。 ――シュート4本で3点と、チャンスを確実にものにしましたね。 清家:3ゴールのうち2点は相手のミスから奪った形でした。得点をするとしたら逆サイドからのクロスに入っていく形が一番可能性として高いだろうなと考えて、積極的に入ろうと思っていたので、その形から1点取れたのは良かったです。ただ、それ以外で右サイドから崩してシュートという形はまだないので、今後その形も作っていきたいですね。 ――デビュー戦のハットトリックは、WSL史上初だそうですね。リーグ選出の月間MVPと、WSLファンが選ぶ月間MVPに輝きましたが、周囲の反響はどうでしたか? 清家:賞を2つももらえて光栄です。トロフィーを2つもらって、その度にチームで手が込んだ撮影もしました。あとは、SNSの取り上げられ方や、チームの中での盛り上がり方も違うので、それはすごいなと。チームメートもみんなで祝福してくれて、いいチームだなと思ったんですけど、これを続けていくことが大事だし、それが一番難しいことだと思っているので。あれで終わらないように、ゴールを取り続けたいと思っています。