関学破った法大 攻守一丸で立命大に挑む アメフト甲子園ボウル
アメリカンフットボールの全日本大学選手権決勝「三菱電機杯 第79回毎日甲子園ボウル」(毎日新聞社、日本学生アメリカンフットボール協会主催、三菱電機特別協賛)は15日午後1時5分、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)でキックオフし、9年ぶり9回目の優勝を狙う立命館大(関西1位)と18年ぶり6回目の優勝を目指す法政大(関東1位)が対戦する。 全日本大学選手権は今年から大会方式が変わり、関東と関西はリーグ戦の上位3校が出場。準々決勝以降、関東と関西の対決が行われた。法大は準決勝で大会史上最多の6連覇中だった関西学院大(関西2位)を破り、2年連続20回目の出場を決めた。立命大も準決勝で早稲田大(関東2位)を降して9年ぶり10回目の出場を果たし、初年度は関東、関西の1位校同士の顔合わせとなった。 両校の対戦は16年ぶり7回目で、過去の対戦成績は立命大の5勝1敗。 法大は関東大学リーグを7戦全勝で制覇。全日本大学選手権の準決勝は、昨年の甲子園ボウルで大敗を喫した関学大を、延長タイブレークの末に破った。1試合平均は32得点と高い攻撃能力を誇り、大一番では守備も力を発揮して勝利してきた。 今季のチームについて、主将のDL山田晋義選手(4年・日大鶴ケ丘)は「攻撃陣の調子が悪かったら守備が、守備陣がダメなら攻撃が頑張れる。お互いに助け合える」と語る。 攻撃の中心はQB谷口雄仁選手(4年・法政二)だ。昨年の甲子園ボウルでは試合終盤に左膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂。手術を経て復帰した今季は、リーグ戦の最優秀選手賞に輝いた。準決勝の関学大戦でもパスで2タッチダウン(TD)を奪うなど、2年連続の甲子園ボウル出場に大きく貢献した。 谷口選手とホットラインを形成するWR高津佐隼世選手(3年・佼成学園)は高い身体能力を誇る。RBは広瀬太洋選手(4年・駒場学園)もリーグ戦で10TDを記録し、エースに成長。得点を重ねるには、牧野海舟選手(4年・法政二)らOL陣の頑張りが鍵を握りそうだ。 守備は関学大戦で川出奨悟選手(4年・駒場学園)や山田選手らDL陣が的確に守り、ランでのロングゲインを許さなかった。強力なRBを擁する立命大に対しても、同様に踏ん張りを見せたい。リーグ戦で3度のQBサックを見せたLB高橋和音選手(4年・海陽学園)や、小田隼士選手(4年・箕面自由学園)、南雲昇太選手(4年・法政二)らDB陣も能力の高い選手がそろっている。 昨年もフィジカルを強化して甲子園に臨んだが、差は歴然だった。山田選手が「昨年の比にならないぐらい追い込んできた」と語る成果を関学大戦で示し、再び関西勢に挑む。谷口選手は「関西勢と2試合戦えるチャンスをもらえて本当にワクワクしている。いつも通りのフットボールをして、楽しんで勝ちたい」。18年ぶりの王座奪還へ、気合十分だ。【玉井滉大】 ◇法大チーム史 戦前に創部された「関東古参6校」の一つ。1934年に同好会として発足し、35年に関東学生連盟に加盟。甲子園ボウルは72年に初出場で初優勝。94~2001年に関東リーグ最長タイ記録となる8連覇を達成し甲子園ボウルに8年連続出場した。05、06年は連覇するなど優勝は5回。愛称はチームカラーの「オレンジ」を17年から使用。 ◇法大今季成績 <関東大学リーグ> ○35―14 桜美林大 ○49―14 東大 ○41―19 中大 ○24―10 慶大 ○16―13 早大 ○38―26 明大 ○38―20 立大 <全日本大学選手権> 準々決勝 ○30―6 中京大 準決勝 ○17(3)―17(0) 関学大 (カッコ内は延長タイブレーク)