前回王者・陳夢、圧巻2連覇で女子単史上3人目の快挙達成 世界ランク1位・孫頴莎を破る<パリ五輪卓球競技>
<パリ五輪卓球競技 日程:2024年7月27日~8月10日 場所:サウスパリアリーナ4> 3日、大会8日目を迎えるパリ五輪卓球競技では、女子シングルス3位決定戦と決勝戦が行われた。
前回王者が巧みな試合展開を見せる
女子シングルス決勝には、連覇を狙う東京五輪女王・陳夢(チェンムン・中国)と、混合ダブルスに続き2個目の金メダルを狙う世界ランキング1位の孫頴莎(スンイーシャ・中国)が登場した。 ここまで陳夢は失ゲーム数1、孫頴莎は1ゲームも落とさず決勝まで勝ち進み、両者ともに五輪女王のタイトルを掴むには申し分ない実力を示していた。特に準決勝では、両者ともに1ゲームも落とさず勝利し、着実に決勝に照準を合わせてきた。 東京五輪の決勝と同じ組み合わせとなったが、陳夢の攻守のバランスと戦術を駆使した試合巧者ぶりと、孫頴莎の隙のない超攻撃型卓球のどちらが勝利を掴むか。 試合は、第1ゲームから孫頴莎が陳夢の隙を見逃さず畳みかけるような攻撃でリードを広げていく。勢いをつけた孫頴莎が第1ゲームを奪うが、第2ゲームから陳夢が孫頴莎に万全の体勢で打たせないような巧みなコース取りを駆使して流れを変える。孫頴莎も攻撃の手を緩めずに対抗するが、陳夢が得点を重ねゲームカウント1-1と並ぶ。 第3ゲームも陳夢のコースを突いた攻撃が功を奏し、2ゲーム連続で陳夢が奪う形となった。第4ゲームで、孫頴莎が陳夢に打たせるような展開で序盤は緩急をつけつつ、徐々に陳夢のバックサイドへ厳しいボールを送り込む。陳夢も食らいつくが、孫頴莎がものにしてゲームカウント2-2と再び並んだ。 迎えた第5ゲームは、一進一退の攻防が続く。陳夢がラリーの中でタイミングをずらしながらミスを誘う戦術に対して、孫頴莎は陳夢の緩い球に対してパワーのある攻撃を仕掛ける。両者譲らない攻防を陳夢が制し、五輪連覇まであと1ゲームとなった。第6ゲームでも陳夢が孫頴莎の猛攻を回避しながら、コースを変えてミスを誘う。 両者拮抗した状態で試合が進むも後半から陳夢がリードを広げ、10-6でチャンピオンシップポイントを握った。最後は孫頴莎のサービスに対し陳夢がバックハンドでレシーブ、これを孫頴莎がフォアハンドドライブで返そうとするがネットを越えず試合終了。 これにより陳夢は、鄧亞萍(デンヤピン・中国)、張怡寧(ジャンイーニン・中国)に続いて史上3人目となる女子シングルス連覇を達成した。 女子シングルスでは日本から早田、平野美宇(木下グループ)が出場し、平野はベスト8、早田は東京五輪の伊藤美誠(スターツ)に続いて日本勢2人目のメダル獲得者となった。