<掛布が語る>阪神が巨人とのCSファイナルを勝ち抜くための4つの条件
阪神が球団史上初めてセ・リーグのクライマックスシリーズ、ファーストステージを突破したことで、阪神―巨人の伝統の一戦が15日から東京ドームで始まるファイナルステージの顔合わせとなった。 ご存知のとおり、ペナントレースの優勝チームの巨人が1勝のアドバンテージを持ち、しかも全試合をホームの東京ドームでできるのだから、6対4で巨人が有利だろう。だが私は、4つの条件が揃ったときに阪神が勝つ可能性は十分にあるのだと考えている。 1.ひとつは先発投手がゲームを作って優位に立つことだ。藤浪というカードを広島戦で使わずに残したままファイナルステージに入ることができるという点を生かしたい。岩田、藤浪、メッセンジャー、能見という4枚柱を投入できることが可能になったのだから、その先発の投手力を全面に打ち出したロースコアゲームを勝ち抜いていく戦いだ。 巨人は、今季、阪神に2勝1敗、防御率、0.86とキラーぶりを発揮していた菅野が抜けた、予想される4人の先発投手は、内海、杉内、小山、沢村の4人である。その4人の今季の対戦カードの数字だけを見比べると、以下のようになる。 ●阪神先発陣の2014年対巨人成績 チーム防御率4.09 メッセ 防御率3.17 4勝1敗 岩田 防御率2.81 2勝1敗 能見 防御率5.09 1勝5敗 藤浪 防御率4.50 0勝2敗 ●巨人先発陣の2014年対阪神成績 チーム防御率3.06 杉内 防御率3.11 2勝2敗 内海 防御率5.54 0勝1敗 沢村 防御率2.93 2勝2敗 小山 防御率2.04 1勝0敗 この4人の星勘定だけでいくと阪神が7勝9敗、巨人が5勝5敗だ。しかも、能見の東京ドームでの防御率も10.13と最悪である。だが、12日のファーストステージの広島戦での能見は、レギュラーシーズンの姿とは違っていた。過去データからすると不利でも私は先発陣では阪神は決して見劣りしないと考えている。おそらく、その能見は4番手で登板するだろうが、岩田、メッセンジャーで必勝を期し、最初の4戦を3勝1敗で乗り切って王手をかければ勝機が生まれる。