「スペースワン」の豊田社長インタビュー打ち上げ”失敗” それでも宇宙を目指すワケ【WBS】
13日、日本の宇宙ベンチャー「スペースワン」が打ち上げた小型ロケットは、直後に爆発するという結果に終わりました。21日、「スペースワン」の豊田正和社長が打ち上げ後、初めてメディアのインタビューに応じ、再び宇宙への強い思いを語りました。その裏にあるものとは。 【動画】打ち上げ5秒後に爆発 民間ロケット打ち上げ失敗 太平洋に面した本州最南端、和歌山・串本町。13日、スペースワンが独自開発した小型ロケット「カイロス」初号機の打ち上げが行われました。 実際の人工衛星を搭載し、軌道への投入が成功すれば民間単独では日本初の快挙でしたが、打ち上げからわずか5秒後、ロケットが異常を検知して、自ら破壊するシステムが作動したのです。 当日開かれた会見で、「スペースワン」の豊田正和社長は「スペースワンとしては“失敗”という言葉は使わない。なぜかというと、一つ一つの試みの中に新しいデータがあり、経験があり、それらは全て今後の新しい挑戦に向けての糧と考えている」と話しました。 「ロケットは難しい」 直後にSNSで反応したのがイーロン・マスク氏です。マスク氏が2002年に設立したスペースXは、今やロケットの打ち上げ回数で世界トップです。スペースXが公開しているのが、失敗ばかりを集めた映像集です。今の成功の裏には、何度失敗してもへこたれない、飽くなきチャレンジがあったことを強調しています。 23年4月にも、全長120メートルという史上最大の新型ロケットを打ち上げましたが、4分ほどで爆発。その時、管制室は拍手喝采。マスク氏も「おめでとう。ワクワクする打ち上げだった」とSNSに投稿しました。その後、失敗から得られたデータで新たな実験を繰り返し、技術を蓄積しているのです。
18日、都内で開かれたのは、新たに宇宙ビジネスに乗り出す「高砂熱学工業」の発表会。 月面で、水から酸素と水素を作り出すという世界初のプロジェクトです。イベントに参加していたJAXA(宇宙航空研究開発機構)の稲谷芳文名誉教授は民間企業のチャレンジを後押しします。 「スピード感の意味でも、民間が新しいアイデアを実行していくのはとても良いこと。うまくいかないことがあれば直せば良い。国ではやりにくいが民間ならできるはず」(稲谷名誉教授)