Googleが「Chrome」を売却すると「Firefox」が困る? X(Twitter)上で懸念の声
“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。 米国司法省が11月に、Googleの検索に対する独占禁止法違反訴訟で「Google Chrome」やAndroid OSの所有権放棄などを要求したことが話題です。もし、この要求が認められれば、インターネット界やスマホ業界、ひいてはPC業界に大きな変化が訪れるのは必至でしょう。 X(旧称Twitter)では米国司法省の要求が通ると、なぜかMozillaの「Firefox」が困るのではないかという懸念の声が上がっています。Googleが「Chrome」を手放せば影響力が減り、「Firefox」にはチャンスのように思えますが……。 これには米国司法省の要求に、Webブラウザーのデフォルト検索エンジンをGoogleにするための支払いを停止することが含まれているという理由があります。Googleは、「Firefox」のデフォルト検索エンジンをGoogle検索にするため、Mozillaに対して巨額の支払いをしています。この支払いはMozillaの主な収入源となっており、これが滞ると存続が危ぶまれるわけです。 「Google Chrome」の独占状態を解消するための要求が、「Firefox」の収入を断ってしまう可能性があるという、何とも皮肉な状況ですが、個人的にはそこまで悲観してはいません。捨てる神あれば拾う神あり。Googleの後釜を狙う検索エンジンは沢山あるはずです。Googleがダメなら他の検索エンジンからお金をもらえばいいのではないでしょうか。 実際Mozillaは米国で、一時デフォルトの検索エンジンをGoogleからYahoo!に切り替えたことがあります。今はMicrosoftのBingも力をつけてきていますし、生成AIを活用した新たなプレイヤーが現れる可能性もあります。 ともあれ、健全なインターネットを目指すのであれば「Firefox」の存在は重要ですので、Mozillaが苦境に陥るような結果にだけはなってほしくないものです。
窓の杜,長谷川 正太郎