廃業寸前の危機から3年で売上10倍!名古屋の老舗和菓子店「鯱もなか」がSNSでファンを増やした「企業公式アカウント」運用「5つのコツ」
一時期は廃業さえ考えていたものの、SNSを活用することで、わずか3年で売上を10倍にした名古屋の老舗和菓子店をご存じだろうか? その名も「元祖鯱(しゃち)もなか本店」。同店の専務取締役で、初の著書『鯱もなかの逆襲』を発表した古田憲司氏が、X(旧Twitter)の「企業公式アカウント」を運用するうえで実践している「5つのコツ」を明かす。 【写真】新卒応募者数が2年で6倍に!異色の採用アカウント「ユイカとヒロシ」に学ぶ
お金をかけなくてもフォロワーは増やせる
元祖鯱もなか本店のこれまでの歴史と信頼を守るため、常に真面目で謙虚な姿勢で商売に取り組んでいます。それはXの運用に関しても同様です。 いまでこそフォロワー数5万6000人(2024年11月末時点)、ひとつのポストに1万を超える「いいね!」がつくこともありますが、僕が運用を始めた当初はフォロワー数が100人に満たない小さなアカウントでした。そこから、お金をかけず、自分のアイデアと行動力だけで、コツコツとフォロワー数を増やしてきました。 ここでは、僕なりにXの運用で工夫してきたことをお伝えします。なお、この場合の企業公式とは、個人アカウント以外の企業・店舗・組織・団体などを指します。 X運用のコツ(1) 企業公式の文化に染まれ まずは、企業公式Xの文化に馴染んでいくことが大切です。Xの世界には、何万何十万とフォロワーを持つ企業公式アカウントが綺羅星のごとく存在します。地元の有名企業も皆さんXのアカウントを持ち、それぞれ個性たっぷりの魅力的な運用をしていらっしゃいます。 名古屋お芋嬢(福陽食品)さんしかり、名鉄観光サービスさんしかり、対フォロワーや企業公式同士でとても上手にコミュニケーションをとられていて、僕の目にはキラキラした巨人に見えました。 そういった憧れの企業公式さんと積極的に繋がり、中の人同士の交流を深めることで、Xという特殊な世界での振る舞い方を自然と学ぶことができるのです。 名鉄観光サービスさんに誘われて「#愛知Twitter会」に入ったことは、ものすごく大きな出来事でした。この「#愛知Twitter会」とは、Xアカウントを持つ愛知県内の企業や団体の集まりのこと。現在150社以上が参加しています。 このような企業公式の地域コミュニティに入っていると、本当に強い。常にお互いの情報を拡散し合い、助け合って、一緒にアカウントを育てていくことができます。 複数のアカウントと交流をしていると、相手のタイムラインにもこちらの投稿が表示されるため、多くのXのユーザーが自然と「鯱もなか」の発信を目にすることになります。結果、フォロワー増に繋がっていくのです。 このように企業公式アカウントの先輩方に助けられ、教えを請いながら、僕なりのアカウント運用を模索していきました。 「#◯◯会」「#△△部」など、探してみると数多くのコミュニティがXの世界には存在します。紹介制だったり、希望すれば誰でも入れたりと参加方法は各コミュニティによって違いますが、気になるものを見つけたらぜひ参加してみることをおすすめします。