廃業寸前の危機から3年で売上10倍!名古屋の老舗和菓子店「鯱もなか」がSNSでファンを増やした「企業公式アカウント」運用「5つのコツ」
「渾身の長文ポスト」がバズった秘密
X運用のコツ(4) トレンドの波に乗れ Xでは、毎日毎時毎分毎秒トレンドが生まれています。そのトレンドにすぐに乗れるように、常にアンテナを張ってチェックすることが大切です。 現在、「鯱もなか」のX公式アカウントでは、2022年5月の投稿を固定ポストにしています。「鯱もなか」の歴史と僕の想いを記したのですが、この投稿に2.7万いいね、1.1万リポスト、89件ものコメントがつきました(2024年11月末時点)いわゆるバズった状態です。 なぜ、こんなにも注目を集めたのか。秘密は投稿したタイミングに隠されています。 前々から「鯱もなか」への熱い想いを伝えたいと考えていた僕は、ある朝、「今日こそ、この想いを投稿するぞ!」と長文を作って準備を進めていました。毎朝の日課である納品の際に名古屋城の美しい写真を撮り、「今日は気合いを入れたツイートをします」と宣言をして、より注目してもらえるような仕掛けもしておきました。 すると、なんということでしょうか。その日のお昼過ぎ、【日本人の「和菓子離れ」なぜ加速】という記事が『Yahoo! ニュース』で公開されたことをきっかけに、「和菓子離れ」というワードがXでトレンド入りしたのです。これはまさに、「和菓子離れ」へのアンチテーゼとして、僕の想いをポストする絶好のチャンス。 早速その日の夕方、冒頭に「和菓子離れ」のキーワードを入れ込み、全部で14個にも連なる渾身の長文を投稿しました。 狙い通り、Xのトレンドと相まって、僕のポストはどんどん拡散され始めました。しかし、たとえバズったとしても、トレンドの移り変わりが早いのがXの世界です。あっという間に、人々の記憶から忘れ去られてしまうでしょう。 そこで、急遽2つの作戦を考えました。 ひとつは、14のツリー(スレッド)で繋がるポストを、24時間かけて1個ずつリポストしていくこと。一度ポストしたものをリポストすることで、再びタイムラインに上げることができます。最初のポストから24時間程度はバズった状態が続くと予想していたので、その勢いを最大限持続させることが狙いです。 もうひとつは、バズが落ち着いた3日後くらいのタイミングでX上でキャンペーンを実施したこと。その名も、「フォロワー2万人大感謝」プレゼントキャンペーン。せっかくのバズをそのまま終わらせないようにしたのです。 瞬間最大風速で終わる可能性のある一時的な話題をできる限り持続させて、フォロワー増へと繋げ、「鯱もなか」の資産にする。そうして得た新たなフォロワーと、毎日のポストで交流して「ファン」へと変えていく。 トレンドを常にチェックし、うまく利用することができれば、このような展開も夢ではありません。