廃業寸前の危機から3年で売上10倍!名古屋の老舗和菓子店「鯱もなか」がSNSでファンを増やした「企業公式アカウント」運用「5つのコツ」
「炎上」を避けるために意識していること
X運用のコツ(5) 炎上だけは絶対に回避せよ SNSで恐ろしいのは、炎上です。 そのほとんどが、不用意な発言や適切でない表現、ほんの少しの受け取り方のすれ違いから始まります。そして火種は瞬く間に大きくなり、酷い場合は自分だけでなく、家族や従業員、会社自体を危険に晒してしまう恐れがあります。 加えて、意図せず炎上に巻き込まれるケースがあることもSNSの難しい点。火のないところに煙は立たぬと言いますが、SNSの場合は、火のないところにも煙が立つことがあるのです。 こんな話をすると、「炎上が怖いからSNSはやめよう」と思ってしまう人がいるかもしれませんが、むやみやたらと怖がる必要はありません。 SNSで地雷を踏むことなく、自分らしい発信をするために、僕が意識していることを3つお伝えします。 ひとつ目は、人を嫌な気持ちにさせるようなネガティブな発言はしないこと。もっと言うと、ネガティブに捉えられる可能性のかけらすら残さないことです。 大事なのは、「誤った解釈をされる余地のない言葉遣い」。読んだ人が不快になる可能性はないか、別の意味にも取れる文章になっていないか、誰かを持ち上げることで逆に何かを貶めることに繋がってはいないか。常に客観的な視点を持って投稿するように心がけています。 2つ目は、ネガティブな反応への対応を正しく行うことです。 日々情報を発信していると、どうしても出てきてしまうのが、投稿に対するマイナスな声。弊社の場合はほぼないのですが、それでも数か月に一度くらいは何かしらの手厳しい返信やポストに遭遇します。 感想的マイナス意見を頂戴した場合は、まずはお礼を伝えます。そのうえで、こちら側に改善の余地があるならば改善を、そうでなければ以上で終了となります。 逆に、相手の主張が明らかに間違っている場合は、すぐに訂正を依頼します。インターネット上に誤った情報が公開され、そのままになっている状態は好ましくありません。「ご指摘ありがとうございます」と述べたうえで、正しい情報を毅然と率直にお伝えします。 この2つを意識しているだけで、ほとんどの炎上は回避できるのではないでしょうか。 ただし、どれだけリスクに備えていたとしても、火種が生まれてしまうことはあります。そんな最悪のケースを想定して、相談できる弁護士と契約しておくことをおすすめします。 これが3つ目に僕が意識していること。元祖鯱もなか本店では、僕ら夫婦に世代交代をして以降、顧問弁護士をつけました。契約書の内容チェックから、胃が痛くなるようなハードな交渉の場面での一言一句の伝え方まで、なんでも相談しています。 おかげで常に法的根拠を示しながら打って出ることができるので大胆なチャレンジができますし、いざというときのバリアにもなってくれます。 まずは、炎上しないような細心の注意と気配りを。そして、万が一のときにサポートが得られるような体制を。何をするにもゼロリスクはあり得ませんが、リスクをコントロール下に置くことはできるのです。
古田 憲司(元祖鯱もなか本店)