高速のSAにある「演歌のCD」どんな人が買ってる!? あえて今「CD/DVD」を置く理由とは
CD・DVD類の売上が一番多かったSA担当者を直撃!
ネクスコ東日本エリアトラクトによると、2024年8月度で関東圏のSA/PAにCD・DVD類の売上が一番多かったのは関越自動車道「上里SA(下り線)」だといいます。 さっそく、上里SAの売り場担当者に話をうかがいました。
――上里SA(下り線)の売り場には、どんなジャンルのCDが多く置かれていますか。 ■上里SAの売り場担当者(以下、上里SA):「演歌をはじめ、昭和の有名歌手のベストアルバム(山口百恵、松田聖子など)を置いています。 また当店ではDVDのお取り扱いもございまして、こちらはお子さま向け映画(きかんしゃトーマスなど)がメインになっております」 ――実際に売り場を拝見したのですが、CDは棚4段、DVDも2段にわたって陳列されていて、思っていたよりボリュームがありました。 またCDは本体価格1880円(税込み2068円)、DVDは本体価格934円(税込み,027円)と、ドライブ途中に購入するのにもお手ごろですね。 この品揃えは、誰がどんな規準で選んでいるのですか。またどんな方が購入しているのでしょうか。 ■上里SA:「ラインナップは売れ筋をふまえて仕入先会社にお任せしており、各店舗によって異なりますのでご了承ください。 売り場で対応している印象としては、CDはご高齢の旅行者やトラックドライバーの方が購入されるケースが多いですね。 DVDは小さなお子さまのいるご家族が多く購入されているようです」 実際、筆者が上里SA(下り線)のCD・DVD売り場の近くで1時間ほど観察してみると、10分ほど経ったところで高齢のご夫婦が八代亜紀のベスト盤を手に取ってレジへ。そのまま購入していました。 呼び止めてお話を聞くと、突然の声かけに驚きつつも、「東北方面へ帰郷する途中。ラジオを聴きながら運転してきたけれど、若い人の歌ばかりでつまらなくて。 休憩がてらSAに寄ったからお土産を買おうと思ったら、CD売り場があるのを見つけたので、亜紀チャンの歌声を聞きながら帰ろうと思って買いました」とご満悦そうでした。 さらにその数十分後には、4、5歳の男の子がディズニー映画のDVDジャケットに引き寄せられて売り場に来ていました。 こちらも声をかけてみると、親御さんは「まだ子供が小さいので、長時間ドライブの時にはDVDを用意して見せています。たまに買いますよ」とのことでした。 この日は購入には至りませんでしたが、確かに需要はあるようです。 ――ところで、CDはどれくらい売れているのですか? ■上里SA:「当店では、多い月でCDが40枚ほど、DVDが80枚ほど売れていますね。 コーナー自体は2015年頃からあるのですが、こうしてお客さまがいらっしゃる限り、今後も継続販売を予定しています」 ※ ※ ※ 筆者の知人で長距離トレーラーの運転手をしている男性(50代)にも「SAでCDを買ったことある?」と聞いてみたところ、次のような答えが返ってきました。 「たまに衝動買いするよ。音楽をスマホにダウンロードして聞くより、車のオーディオのほうが音がいいし、好きな歌手の歌をまとめて聞けるからね。 売り場にはご当地ソングのCDが並んでいることもあるから、けっこう面白いよ」 ご当地グルメや土産物と合わせて、SAでCD売り場のラインナップをのぞいてみれば、旅のお供として新しい出合いがあるかもしれません。
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