21世紀枠丹生、貫いた「攻め」 大舞台経験も財産に 選抜高校野球
第94回選抜高校野球大会は第5日の23日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、21世紀枠選出で春夏通じて初出場の丹生(福井)は、中国大会準優勝の広島商に7―22で敗れた。丹生はエースの左腕・井上颯太(2年)を中心に守りたかったが、大量失点で涙をのんだ。 21世紀枠として春夏通じて初の甲子園。夢の舞台で攻め抜く野球を貫いた。「地力では相手が上。それならば仕掛けていかないと」。試合前に春木監督が話していた通り、再三にわたって動いた。 躍動したのは3点ビハインドで迎えた二回だ。先頭の4番・来田が左翼への安打で出塁すると、エンドランや吉田の2点適時打などで同点に。さらに盗塁も絡めて2死一、三塁と好機を拡大。井上が初球の外角低めの変化球を振り抜き、試合をひっくり返す中越え二塁打を放った。 失策なども絡んで22失点を喫した大敗は、大舞台の経験が浅いチームの課題も浮き彫りにした。エース左腕として2度マウンドに上がった井上は9四死球で13失点で「緊張して荒れてしまった」。それでも、春木監督の「ファーストストライクから打っていきなさい。自分のスイングをすればいい」との言葉を体現する打撃を全員で最後まで見せ、計10安打7得点で強豪に食らいついた試合は大きな財産にもなる。 「直球の精度やキレをもっと磨いて、もう一度ここに帰ってきたい」と井上。経験と悔しさを、夏への力にしたい。【木村敦彦】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。