意外と知らない「Google検索の質は本当に悪くなっているのか?」
たとえば筆者が「ノートパソコン おすすめ」と検索したところ、関連する質問枠には「世界で一番性能がいいパソコンは?」という質問文が表示されています。その答えは「富岳」ですが、これはスーパーコンピューターでありノートパソコンではありません。知りたいこととかなり内容がずれていますね。
なお、余談ですが「世界で一番性能が良いパソコンは?」と会話文の形でも検索してみました。「関連する質問」と「検索」では表示内容が違うか確かめることが目的です。すると、Googleの検索結果(強調スニペット枠)は2017年に公開された大手メディアの記事を参考に答えを返してきました。Googleの答えは「中国の「Sunway TaihuLight(神威・太湖之光)」」とのことでしたが、実際には近年、中国のスパコンは計算速度ランキングで上位に姿を見せていません(※水面下の稼働テストでは上位であるとの噂はあり)。 おそらく上の回答が戻ってきたのは、Googleが「信頼性が高いと思われる企業ドメイン」を参照しており、その記事が新しいか古いかを判定しきれていないためでしょう。 検索意図と合わない「関連する質問」が表示されたり、そもそも検索上位の内容が事実と異なるものであるといったことがしばしば目立ちます。この点は難点であると思われます。
Google検索へのAI導入は賛否両論
Google検索には段階的に、生成AIの導入も進んでいます。Google検索の生成AIは「AI Overview」と呼ばれています。 しかし、AI Overviewの導入はかなり賛否両論。その要因の1つは「回答品質」にあります。たとえば、前述の通り、GoogleのAIはRedditの投稿をベースとした機械学習をスタートさせています。そして2024年5月頃には「チーズがうまくピザにくっつかない」という検索に対し、AI Overviewが「無害な接着剤を混ぜると良い」という回答を返したことが一部で話題になっています。ピザに接着剤を混ぜるというジョークは、Redditに過去に投稿された文言の1つです。 GoogleのAIの不正確さは、これまでにも様々なところで問題視されています。2023年にはGoogleのAIの回答の誤りが市場の反発を招き、同社が時価総額13兆円を失う事態も発生しています。 ・専門性の高い報道、製品レビューなどを扱うニュースサイトが「排除」された状態に近しい ・個人ブログ、個人のウェブサイトも「排除」に近しい ・Redditの学習をベースとしたAIが、Google検索上で誤った回答を提供している ・「関連する質問」枠の品質は必ずしも高くない と総じて、Google検索の品質には直近で様々な問題点が見られるのは確かです。こうした問題点に対して、Googleはどのように検索アルゴリズムを調整していくのか、今後の動きも注目されます。
オトナライフ