意外と知らない「Google検索の質は本当に悪くなっているのか?」
SEO(検索エンジン最適化)やインバウンドマーケティングを専門とする海外企業「Moz」の調査では、2024年3月以降、ニュースサイトやパブリッシャー(出版社)のビジビリティが大幅下降。代わりにEコマースやショッピングサイトが大幅上昇したことが明らかになっています。 ビジビリティとは一言で言えば「視認性」。分かりやすく言えば「検索でのシェア」と考えると良いでしょう。 ニュースサイトやパブリッシャーが検索で占める割合は「-461ポイント」と、最大の下げ幅です。たとえば同調査でアダルト関連は「-22ポイント」。ファイナンス関連は「-40ポイント」。ニュースサイトの下降の大きさが明らかに際立っており、狙い撃ちに近い状態です。 このことは、たとえばニュース性が高いような新製品の情報を検索した際に「ニュースサイト」が表示されなくなり、代わりにAmazonなどECサイトが上位に出ることを示しています。 「ニュースサイトを落とし、ECサイトを上げる」ことになぜここまでGoogleが固執しているのか真意は明らかではありませんが、検索上から専門性の高い報道やレビューを「排除」している状況に近いです。つまり「Google検索の質は悪くなっている」と批判されても、仕方のないデータではないでしょうか。 ■海外では「Reddit」が急成長
アメリカにおける「5ch(旧:2ch)」のような存在として知られている「Reddit」は、海外で大きくGoogle検索での存在感を高めています。健康から金融、アダルト、エンタメまで極めて多彩な検索ワードで、Redditの投稿がかなり頻繁に上位表示されています。 ではなぜ、Redditは検索で上位表示される傾向にあるのでしょうか。一部では、GoogleがAIのトレーニングに「Reddit」の投稿を用いるための提携(※締結済み)に伴うある種の検索上の優遇措置ではないかという推測すらあります。 ちなみに筆者自身も特に海外のニュースを見たり、考察する際には、Redditを参考にすることがよくあります。非常に面白いサイトであることは言うまでもありません。一方で「Googleで正確な情報を得たいときにRedditが上位表示される」としたら、やや疑問を感じる部分もあります。「ニュースや正確な製品レビューを知りたいときに5chのスレッドが上位表示されている」状況に近いためです。 本来は正確性が求められるトピックスであるにも関わらず、匿名の多数の書き込みが参照されてしまうリスクがあり、なおかつそれをGoogleがAIのトレーニングに使うと考えると疑問を感じる部分が多々あります。 ■「関連する質問」枠および一部の検索結果の品質が安定していない Google検索した際に「関連する質問」枠が表示された経験がある方は多いはず。その枠内に「自分が知りたい内容」が含まれたら、より検索の答えに早く辿り着けるため便利な機能です。 ただし表示内容の品質は、非常に不安定だと見受けられます。