【阪神】3カ月先なのに…藤川監督異例の予告先発、ドジャース戦に才木浩人指名“片膝付き弾”雪辱へ
異例の予告先発だ! 阪神藤川球児監督(44)が7日、来年3月16日に行われるドジャースとのプレシーズンマッチ(東京ドーム)に、才木浩人投手(26)を先発させる方針を明かした。相手はMVPを獲得した大谷翔平投手(30)を中心に、今季のワールドシリーズを制した世界一軍団。才木は昨年3月の侍ジャパンとの強化試合で大谷に“片膝つき弾”を浴びており、絶好のリベンジ舞台になる。才木の登板意欲も買った早期指名でモチベーションを高め、開幕ダッシュにつなげてもらう。 ◇ ◇ ◇ 藤川監督の頭の中には、世界一軍団と対峙(たいじ)する阪神ナインの姿が浮かんでいた。「タイミングが合えば、才木が投げたらいいなと思っている。うちの最高のピッチャーの1人ですから」。来年3月16日に強化試合として東京ドームで開催される阪神-ドジャース戦。大谷を擁する最強軍団相手の先発は誰が務めるのかが注目の的だったが、藤川監督は今季13勝を挙げた勝ち頭の才木を予告した。夢の対決は3カ月以上も先のことだが、異例の早期明言だ。 右腕の心意気を買った。11月末、才木は「今度はドジャースというワールドチャンピオンになったチームなどが相手。主力メンバーに対して投げたい」と意欲を見せていた。そのことを知っていた指揮官がこの日、右腕と球団施設で顔を合わせると「プレミアチケットだからどうしような? お前しかいないよな」と声をかけると「喜んで」と即答したという。「まんざらでもない表情してたので」と以心伝心で送り出す。 「本人も大谷選手と(一戦を)交えてみたいという話をしていたので、本人の体調が整えば。才木の投げている姿がドジャース戦では見てみたい」。23年WBC直前の3月に行われた侍ジャパンとの強化試合で、才木は大谷から衝撃の片膝つき本塁打を浴びた。だがその「悔しさ」を糧に昨季は自己最多8勝、今季はさらに5勝上積みし、11月のプレミア12では初めて日の丸も背負って侍ジャパンの準優勝に力を尽くした。今回、大谷にリベンジする絶好の機会を得たことが高いモチベーションになり、さらなる進化をもたらすはず。シーズンは12日後の3月28日の敵地広島戦で始まるが、先発陣の中心を担う才木には、世界一軍団斬りで開幕ダッシュにつなげてほしい狙いがあるようだ。 3月15日、今季15勝の今永昇太や鈴木誠也を擁するカブス戦の先発は思案中としたが、メンバーについて「ガチンコじゃない方がおかしいでしょ? 自分の持っている一番素晴らしいメンバーでね」と即答。春季キャンプ、オープン戦を経て練り上げた、ベストオーダーで臨むつもりだ。 「開幕前に1つ、自信になる、きっかけにもなる。選手たちが個対個で戦って、どれだけ力の差があるとか、やれた、いけたとか」。王座奪還を目指すシーズン。自信とはずみをつける腕試しになる。【磯綾乃】 ◆WBC強化試合での阪神才木VS侍ジャパン大谷(23年3月6日、京セラドーム大阪)先発した才木は初回、2死走者なしの初対決は3番大谷を154キロ速球で空振り三振に斬った。だが3回2死一、二塁で迎えた第2打席は、外角低めに落とした136キロのフォークをとらえられた。大谷は右手1本、左膝が地面についた崩された体勢のまま、打球をバックスクリーン右にまで飛ばした。才木は「ベストボールをあそこまで運ばれて悔しい」と世界レベルを体感した。