母の金で続けたAKB推し活「オレの推しに寄生するな」 別メンバーを一方的に憎んだ男の末路
アイドルグループ・AKB48のメンバーに対して、インターネット掲示板などに「襲撃、惨殺、虐殺します」、「両親も皆殺し」と書き込んだなどして、脅迫罪に問われていた20代男性に対して、大阪地裁は2024年11月6日、懲役6月・執行猶予3年(求刑:懲役6月)の判決を下した。 【画像】ラオタVS元アイドル・法廷論争 長く同グループのファンクラブメンバーとして活動していた被告人だったが、振る舞いなどが問題視され、度々ファンクラブを退会させられていたことも発覚。今回の犯行への呆れる言い分には、検察官からたびたび「その考えが間違っているのわかりますか」などと問いただされる場面があった。(裁判ライター・普通)
●「自身の推しの人気に寄生している」と悪感情
スーツを着用して出廷した被告人はすらりとした体格が特徴的で、顔の半分がマスクで覆われているものの、整った顔立ちのように見えた。ただ、被告人席でも、証言台でも常に腕組みをしており、独特な雰囲気をまとっていた。 起訴状によると、被告人はインターネット掲示板にて前記書き込みをしたほか、SNSのダイレクトメッセージ機能を用いて被害者本人に対して「お前のことを殺しに行きます」などと送信した。被告人はいずれの事実も認めた。 検察官の冒頭陳述などによると、被告人は高校卒業後、定職につかず母親と暮らしていた。被告人は被害者とは異なる同グループのメンバーAのファンだった。供述調書によると、「被害者は、Aに寄生して楽に人気を取ろうとしていた嫌いだった」など、被害者への悪感情を明らかにしていた。 事件は被害者自らが所属先に相談したことと、掲示板の他のユーザーが「悪質過ぎるので逮捕してください」と、大阪府警に通報したことにより発覚した。
●推し活費用は母親が負担していた
弁護側の書証として、被告人がメンタルクリニックに通っている領収書と、反省文が取り調べられた。反省文には、被害者への謝罪の言葉の他に、「矛先をなんでも向けてしまった」、「被害者も一人の人間で敵でも味方でもない」などと書かれていた。 情状証人として出廷した被告人の母親は、幼少期からの被告人の様子を証言した。家族に対しても周囲に対しても、困ったことは先頭に立って助ける性格であり、やさしく真面目などと評した。 弁護人「本件は、やさしいとは逆の行動をとっているようですが」 母 親「混乱しています。指導に不足があったのかと」 弁護人「不足というのは」 母 親「私なりに一生懸命しておりますが、足りなかったのかと思います」 最近では、被告人からアイドルを追いかけるための費用を要求されることで、家庭内で衝突が発生していた。しかし、その対応としては「希望に応えられるようにしていた」という。今後は、母親だけでなく、親戚も協力して被告人の行動の監督と、就労施設に通うことのサポートを行うことを誓約した。