「GOする?」タクシー業界の常識を変えたアプリ 34歳で社長になった仕掛け人、祖父は野獣のような「昭和のタクシー王」
◆3代目にはいきなり「ガンダム」
----「アニマルスピリット」という感覚があるんですね。 3代目になると、多くの創業家社長は牙を抜かれがちです。 敷かれたレールで、身内と集まっていると、それでいいような感じになります。 これが危ないと思います。 ----3代目や4代目の経営者で集まると、そうなりがちですか。 友達としてご飯を食べに行ったり、旅行に行ったりするのは最高です。 でも、それでいい感覚に陥っちゃうんですよね。 だから、2代目や3代目の継承者に必要なのは、やはりアニマルスピリットです。 それは自然には身に付かない。 ビジネスの世界は弱肉強食で、ベンチャーは最初に丸腰で戦場に行って、落ちている剣を拾って戦うところから始まります。 でも3代目は、じいちゃんの基盤を引き続いだら、そこにガンダムがあって、いきなりガンダム乗って「アムロ行きます」って、周りをケチらせます。 それぐらい、既存ビジネスの有無で全然違います。 その環境をいかにアニマルスピリットで「抜けるか」というのが大きな命題だと思いますね。
■プロフィール
川鍋一朗氏 1970年、東京生まれ。 1993年、慶応大学経済学部卒業。 1997年、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了、MBA取得。1997年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパンに入社し、コンサルタントして活躍。2000年6月、家業の日本交通株式会社に入社。2001年に専務、2004年に副社長を経て、2005年に業界最年少の34歳で代表取締役社長就任。大きな負債を抱えていた会社を大胆な経営改革で立て直す。2015年、代表取締役会長に就任。20年、JapanTaxi社とDeNAの「MOV」事業などを統合し誕生したMobility Technologies会長に就任。タクシーアプリ「GO」をリリース。23年8月、取締役となった。