政府、防衛力強化の必要性訴え 不祥事で信頼失墜、増税に影響も
政府は2024年版防衛白書で、ロシアのウクライナ侵攻と同様の事態が「東アジアで発生する可能性は排除されない」と危機感を示し、防衛費の大幅増や防衛力強化の必要性を訴えた。だが、大量処分に発展した不祥事で防衛省・自衛隊への信頼は失墜。財源確保に向けた増税議論に影響する可能性がありそうだ。 木原稔防衛相は12日の記者会見で、不祥事が防衛増税に与える影響を問われ「失った信頼を取り戻していきたい」と述べるにとどめた。 白書では、中国や北朝鮮、ロシアによる日本周辺での軍事活動を詳述。「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」として、防衛力強化の推進を明記した。 他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)を早期に整備すると表明。国産の12式地対艦誘導弾「能力向上型」と米国製巡航ミサイル「トマホーク」の取得を25年度に前倒しする方針を示した。 防衛力の安定的な維持には「裏付けとなる財源が必要」として増税に理解を要請。法人、所得、たばこの3税を対象とし27年度時点で1兆円強を確保するとした。