世界王者として今年を有終の美で締め括ったのは織田夢海「ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京」女子決勝
【ベストトリック3本目】 レアウのビックトリックが飛び出した2本目を経て迎えた3本目では、各選手が攻めたトリックチョイスを余儀なくされ、プレッシャーを感じ始めたのか各選手が超高難度トリックにトライするもミスが続く展開に。そんな3本目で唯一メイクしたのは中山楓奈。彼女が得意とするクルックドグラインドを派生させた豪快な「バックサイドオーバークルックドグラインド」をバッチリ決めて86.06ptをマーク。今大会ではあまり自身のベストライディングはできていないように感じられた中、周りのミスにも左右されず決めてくるところはさすが数々の国際大会で好成績を挙げている中山だからこそできることだとも感じられた。
【ベストトリック4本目】 ベストトリック合戦も後半戦となり表彰台の座を盤石にしておくにはここでベストスコアは残しておきたい4本目。ここで繰り広げられたのは本決勝最高のベストトリック争いだった。3本目と同様にほとんどの選手たちがトリックに失敗する中で見事を見せたのは織田とコベルだった。 まずこの4本目で暫定1位に大きくジャンプアップしたのは織田。3本目までの時点では採用されるスコアがラン2本目とベストトリック1本目だけであり表彰台圏外だった彼女は2本目・3本目でトライしていた「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」をここで完璧にメイク。メイクした瞬間に会場は歓声に沸き、それまで暫定1位だったレアウも口を開けてビックリするほどの大技で決勝最高得点の94.80ptをマークした。
そんな織田に続いたのはコベル。決勝ではランで思うようなライディングができず厳しい展開でベストトリックを迎えた彼女だが、距離のある9段のステアで「スイッチキックフリップ」をメイク。これもまた織田に続く超高難度トリックでありメイクしたときに一番驚いていたのはコベル自身だった。会場も歓声に包まれた中、ジャッジが付けたスコアは94.62pt。この後の5本目では織田と同じ「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」にトライするも失敗。ランのミスを大幅に取り返してきた彼女だったが3位と0.6ptほどの差で表彰台を逃した。