世界王者として今年を有終の美で締め括ったのは織田夢海「ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京」女子決勝
最後は全日本選手権の時の同様に1位の座を守り切り、ラストトリックをウィニングランとした織田夢海。おそらく今年一番順調に結果へつなげてきた選手はこの織田であると今までの戦績を見て感じる。このWSTシリーズでも過去4大会のうち3度の表彰台を獲得。そこからの全日本選手権での優勝、そして今回世界選手権での優勝と来年へのさらなる活躍を期待させる結果を残した。また今回の優勝をもぎ取ったベストトリックが、以前の全日本選手権で決めたキラートリック「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」だったことも非常に感慨深いものがあり、彼女にとっても初めての世界チャンピオンを獲得させてくれた思い出深いトリックになったことだろう。 そんな織田が優勝を勝ち取った一方で見逃せない部分もある。今回2位となったレアウは「キックフリップフロントサイドブラントスライド」という女子では誰も成し得ない武器を持っているので、もし今回も決めていれば織田の優勝は危ぶまれただろう。またコベルもランセクションで一度崩れた際には立て直しが難しかったが、ベストトリックでは見事復調しランを失点を大きくカバーし4位までジャンプアップ。また最後のトリックを決めていれば表彰台も届くというスキルはもちろんメンタル面での大きな成長も見せた。 この2名が、今後も織田や西矢をはじめ日本人選手たちと金メダルを争う最大のライバルという事実は変わらない。来シーズンも彼女たちとの熾烈な戦いを見るのが楽しみになる一戦だった。
大会結果
優勝 織田 夢海 (日本) / 265.75pt 2位 ライッサ・レアウ(ブラジル) / 261.90pt 3位 西矢 椛 (日本) / 245.76pt 4位 クロエ・コベル (オーストラリア) / 245.11pt 5位 吉沢 恋 (日本) / 242.45pt 6位 赤間 凛音 (日本) / 241.95pt 7位 中山 楓奈 (日本) / 239.61pt 8位 チェンシー・チー(中国) / 138.43pt