世界王者として今年を有終の美で締め括ったのは織田夢海「ワールドスケートボードストリート世界選手権2023東京」女子決勝
【ベストトリック1本目】 ラン2本を終えた時点で比較する優勝候補によっては大きく点差がつき、どのようにベストトリックで巻き返してくるかが注目された中で迎えた1本目。今年のシーズン通して言及していることではあるが、ランセクションで高得点を上げることが非常に重要だということは今大会でも見て取れた。 各選手が80点台を残す中でまず85点オーバーをしてきたのはレアウ。正確な「キックフリップ・フロントサイドボードスライド」をメイクすると86.84ptをマーク。その流れに続くトリックを見せたのは準決勝1位と2位で通過した織田とコベルの2名。織田が「バックサイドオーバークルックドグラインド」で86.73pt、コベルがハバセクションで「フロントサイド50-50グラインドキックフリップアウト」を決めると87.79ptというスコアをマークし次のトリックに繋いだ。
【ベストトリック2本目】 2本目ではベストトリックの感覚を掴んできたのか全体的にトリックをメイクした選手は1本目のスコアを伸ばしてくる高難度トリックをチョイスした印象。そんな中でまず85点オーバーに乗せてきたのは吉沢恋。1本目のレアウのライディングを基準にしたのか同トリックである「キックフリップ・フロントサイドボードスライド」をハンドレールでメイクして86.17ptをマーク。 そんな吉沢に続いたのはベストなライディングはできていない様子ではあったものの手堅くスコアを残した西矢。ここでも彼女の持ち味である「フロントサイドクルックドグラインド to ヒールフリップアウト」をメイクし83.46ptとした。 そして西矢の次にライディングし1本目を上回るトリックをメイクしたのは赤間凛音。今年は夏に大きな怪我を経験し国際大会への出場は怪我から復帰以来初となったが、ここでは彼女の代名詞である「バーレーグラインド to フェイキー」をメイクして、ベストトリック1本目の84.01ptに続く85.58ptをマークした。 しかし、彼女たちを圧倒する形で高難度トリックを見せたのがレアウ。余裕な表情でメイクしたのは「キックフリップバックサイドリップスライド」。軽々と決めて見せたそのトリックには本決勝で初の90点台である90.91pt。彼女のこのトリックの成功がさらにこのベストトリック争いに火を付けたのは間違いない。