今期ドラマは「ダメ男にハマるヒロイン」が大渋滞。分かっていても別れられない女心に共感が止まらない!
『9ボーダー』も『ミス・ターゲット』も……?
今期のドラマは郁子のほかにも、好きなオトコと別れたい(もしくは、好きなオトコを好きになりたくない)という悩みを抱えているヒロインがたくさんいます。 まず、『好きなオトコと別れたい』の裏ヒロイン・ナナも、フリーターのバンドマン・イチ(柏木悠)の沼にズブズブ。ただ、これに関しては同情してしまいます。ぜひ、本編を観ていただきたいのですが、イチってもうとにかく可愛いんですよ……。登場するたび、超ときめき♡宣伝部の『かわいいメモリアル』が頭のなかをループしちゃうくらいに可愛い。 チャーハンの代金すら払えないくらいにお金がなくても、キュるっとした瞳で見つめられると「いいよ、いいよ。わたしが払うから」と言いたくなってしまう。郁子とちがって冷静な視点を持っているナナは、結婚するならイチはちがうと悟っているため、彼とは別れて婚活をしようとしてはいますが……結局戻ってしまいそうだなぁと思います。 そして、『9ボーダー』(TBS系)の大庭七苗(川口春奈)も、29歳で結婚を考えているなかで、記憶障害を抱えていて正体不明の男性・コウタロウ(松下洸平)と恋を始めようとしています。 正直、七苗の恋は郁子やナナを凌駕するヤバさ。本当はどんな人なのかも分からない、しかも入ってくる情報は危なげなものばかり。さらには、どういうルートで入手したのか分からない1億円まで持っている。この世にヤバ男センサーがあったら、永遠になり続けているのでは? と思うくらいに危険度が高いです。 でも、松下洸平さんが演じているからか、ヤバ男に見えないのがズルい。目の前にコウタロウがいたら、好きになりたくないと思いながらも、絶対に落ちてしまう自信があります。
また、玉の輿に乗ることを目指して婚活を始めた『ミス・ターゲット』(ABCテレビ・テレビ朝日系)の朝倉すみれ(松本まりか)も、お金を持っていないどころか上昇志向もない和菓子職人・村松宗春(上杉柊平)に恋に落ちてしまいそうになっています。いや、明らかに落ちてはいるのだけれど、認めたくない……という感じ。郁子と同じく、好条件のハイスペ社長から誘われているのに、考えるのは宗春のことばかり。 以前、年上の女性に「結婚相手は、条件で選んだ方がいい。どうせ、愛なんて冷めちゃうんだから」と言われて、たしかにそうだな~と思ったことがあります。でも、よくよく考えたら条件だって変わることがあるかもしれないんですよね。お金で選んだとしても、その人がずっとお金持ちであり続けるかなんて分からない。たとえ会社が倒産しちゃったとしても支えたいと思えるのは、“愛”があるから。 もし、愛が消えたとしても、彼を愛した気持ちや過去の思い出が消えることはない。郁子もナナも七苗もすみれも、条件ではなく愛で結婚相手を選ぼうとしているヒロインたちは、いま彼のことが大好きだという気持ちを、大事に大事に抱きしめて、ふとしたときに思い出し、その愛をたしかめながら生きていくんだと思います。 とはいえ、それぞれのドラマはまだ放送中! 四者四様の恋の行方を、最後まで見守っていきたいと思います。
菜本 かな
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