菓子パン・スナック菓子・酒好き、運動不足…「体臭がキツイ人」の特徴と対策
猛暑と湿気で、外にでれば汗をかかずにはいられない季節。体臭が気になる人も多いのではないでしょうか。体質とはいえ、できる限りのケアをすることはマナーでもあります。そこで今回は、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、体の内側から体臭予防をするための食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます! 【保存版】体の内側からのケアが重要!「体臭予防ができていない人」のNG習慣まとめはコチラ
汗をかく季節の体臭対策、できていますか?
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 276 外を少し歩くだけで、息をするのも苦しく感じてしまうほど暑い日もありますよね。紫外線対策の必要性も日に日に増していき、暑くなるにつれカーディガンやスカーフ、帽子など、どんどん厚着へと変化しているかたも多いと思います。また、目的地に到着した途端に汗が滝のようにあふれ出し、髪の毛や服までびっしょりと濡れてしまうこともあるかもしれません。 そんなとき、日ごろから運動している人は、さらっとした汗をかくことが多いですが、運動不足であまり汗をかく機会のなかった人は、べとべとした汗をかき、菌が繁殖しやすくニオイを強く発生させてしまうことがあります。 日ごろの食習慣だけではなく、運動習慣までもがニオイという結果として表面化してしまう時期です。さわやかな汗をかき健康そうな人になれていますか? それともきついニオイを生温かい風にのせて放つ不健康そうな人になっていませんか? ということで、夏のマナーとして清潔に保つことはもちろんですが、体の中からできるニオイ対策となる食薬習慣を紹介していきます。 今週は、体臭対策となる食薬習慣 普段、汗をかきにくい人でも汗をかく時期ですね。ただ、あまりにもにニオイが強烈だとスメハラと呼ばれる時代になってしまいました。とくに若い人にも多い脇の酸っぱいニオイ、40代以降に多い後頭部を中心に発生するミドル脂臭、50代半ば以降に多い加齢臭など、年代別に気になるポイントはそれぞれあると思います。 季節も季節なので汗をかかない人はおらず、過剰に自分のニオイや他人のニオイを気にすることは、控えたほうがよいですね。とはいえ、できる限り体の外側と内側からのケアは忘れずに行いたいものです。 漢方医学では、体臭を発生させやすい体質を『湿熱』がたまっていると考えます。舌を見た時に白や黄色の舌苔が分厚くついている傾向があります。そこで、今週は『湿熱』を取り除き、『湿熱』がたまるような食事を控えることがおすすめです。 今週食べるとよい食薬は、【きんぴらゴボウ梅味】です。そして逆にNG習慣は、『湿熱』がたまり、ニオイを強くしてしまう【菓子パンやスナック菓子】です。 食薬ごはん【きんぴらゴボウ梅味】 腸内環境を整えて『湿熱』を取り除くことで消臭に役立つとされるゴボウと、体臭の対策となるアルカリ性食品である梅干しをあせて作るきんぴらがおすすめです。千切りだと夏は面倒だと思うので、乱切りで作ってみても良いと思います。 <材料>2人分 ごぼう 1本(長めに乱切り) 梅干し 1個(包丁でたたく) ニンニク 1片(スライス) みりん・すりゴマ 各大さじ1 醤油 お好みで <作り方> 材料をオリーブオイルでさっと炒めたら完成。 NG行動【菓子パンやスナック菓子】 人がたくさん集まったときや食事の時間がとれないときには、菓子パンやスナック菓子などで食事の代用をしてしまうことはないでしょうか? トランス脂肪酸など油を多く含む揚げ物やスナック菓子、加工食品などを食べ過ぎてしまうと、加齢臭の原因ともなるノネナールが増え、皮脂のニオイがきつくなることがあります。 そのほか、たんぱく質を過剰にとりすぎたり、にんにくやニラなどの刺激物を食べたり、お酒を飲むことによっても体臭はきつくなりやすいです。たとえば、菓子パン、ポテトチップス、唐揚げ、餃子、お酒などを囲んで団欒するようなことがある人は注意ですね。 夏を元気でさわやかな印象をキープしながら過ごすためには、表面的なケアだけではなく、食事の内容の見直しも一緒に行うことで、ニオイだけではなく健康状態も整えていきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)や新刊『だる抜け ズボラ腎活(ワニブックス)』でも紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは… 『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報> 大久保 愛 先生 漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン>』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち>」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。 公式LINEアカウント@aika ©MOMOSHINAsakurako/Adobe Stock
大久保 愛