生成AI 東大松尾豊教授“日本は劣勢だが最善手続いている”
AI研究の第一人者、松尾豊・東京大学大学院教授が会見を行い、アメリカなどと比べた日本の開発状況を将棋にたとえ、劣勢だが最善手を指し続けていると語りました。(社会部 内田 慧) 政府のAI戦略会議で座長などを務める国内のAI研究の第一人者、松尾豊・東京大学大学院教授が今月15日、都内で会見を行いました。 会見では生成AIの概要や開発状況、国際的な動きについて説明し、スマートフォンやSNSなどでは後れをとってきた日本ですが、生成AIについてはG7(=主要7か国)で去年、国際的なルール作り「広島AIプロセス」を立ち上げ、「包括的政策枠組み」が合意に至るなど後れをとっていないと、国の対応を評価しました。 また、日本とアメリカなどとの生成AIの開発競争を将棋の評価値にたとえ、「16パーセント対84パーセント」「下手をするとすぐに詰んでしまう」と評しましたが、「去年1年間を見ると評価値は下がっておらず、むしろ上がっている」「最善手を指し続けている」として、「このまま最善手を指し続け、相手がミスをすれば16パーセントが65パーセントと逆転するシナリオがあると思う」などと語りました。 そして、国内で開発が進められている生成AIについて、医療・金融・製造など巨大産業への価値提供、そして、マーケットの大きい「アジア」で使われるようにするなど、ビジネスモデルを描くことが必要だと述べました。