【地方の実家は、もはや「負の遺産」?】「実家じまい」の超過酷な現実 持っているだけで「意外なお金」がかかり、「思わぬリスク」もある
このように、家やモノは、処分するのに手間もお金もかかります。 本人にとっては命より大事にしていたお宝コレクションも、他人にとってはゴミの山かもしれません。 とくに不動産は、持っているだけで税金がかかるし、その他のリスクも発生する「負の遺産」です。 ■「残してくれるならお金がいい」が相続人のホンネ たくさんのモノを残して死ぬことは、残された者にとって困りごとでしかありません。 せちがらいことを言えば、相続人にとっては「残してくれるならお金」が一番ラクで、ありがたいのです。
これらを踏まえて、60代くらいからは、だんだん持ち物を減らし、住み替えなどでダウンサイジングしていくことを考えましょう。 持ち物を減らすコツは、「使うものだけを残す」 ことです。 「使うもの」と「使えるもの」は違います。 「現在使っているもの」は手元に残しますが、「まだ使えるもの」や「将来使うかもしれないもの」は思いきって処分しましょう。 不動産については、生前の処分が難しければ、遺言書などで「処分してかまわない」などの一筆を残すと、残された側の心理的負担が減ります。
Uさんも「自分の子どもたちに迷惑をかけないよう、徐々に生活をシンプルにして、持ち物も減らしていこう」と決意したそうです。 必要なものまで処分しろとは申しませんが、今後の人生で使わないであろう不要なモノを片づけていくことは、終活の第一歩といえるでしょう。
松尾 拓也 :行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家