コッポラ監督も。ハリウッドのセクハラ問題は終わらない!
映画界の巨匠、フランシス・フォード・コッポラ監督。今回、証拠付きで明るみに出たセクハラ疑惑の内容とは。ハリウッド界で未だに告発されるセクハラの実情は? 人気長寿連載セレブウォッチャーPeachesがチェック!
セクハラ疑惑は確定か
ハリウッドの情報を伝える業界誌『バラエティ』がフランシス・フォード・コッポラ監督の新作『メガロポリス』撮影に参加した人から入手した映像2本をWeb上でアップ。1本にはコッポラ監督が女性エキストラに密着し、キスする姿が写っていて、大物監督のセクハラが「疑惑からこれで確定!」と話題になっている。 写真:フランシス・フォード・コッポラ
リークされた映像が撮影されたのは、昨年の2月14日。ナタリー・エマニュエルが演じる汚職市長の娘が「スタジオ54」風なナイトクラブで馬鹿騒ぎをする場面を撮影していた時のことだった。女優の数人はトップレス姿で、エキストラ女性たちはカニエ・ウェストの愛妻ビアンカ・センソリ的な扇情的スタイルが推奨されていたという。荒廃した都市ニューローマを理想主義者(しかも時間を止める能力を持っている)の建築家がユートピアへと変貌させようと奔走するというのが映画の大まかなあらすじなので、第3代ローマ帝国皇帝カリグラの乱痴気騒ぎにインスパイアされたシーンかもしれない。 写真:ナタリー・エマニュエル、フランシス・フォード・コッポラ
撮影中は迷走していたコッポラ監督
この映画がカンヌ国際映画祭でお披露目される前にイギリスの『ザ・ガーディアン』紙が『メガロポリス』制作の裏話を記事にしていた。脚本家兼監督コッポラの構想40年にわたる叙事詩は、製作資金集めに何度も頓挫。ワイナリーの大半を売却して作った資産120万ドル(約1億8千万円)を費やして製作スタートしたものの、芸術的見解の相違から美術部門のスタッフの半分以上が辞職もしくは解雇されたという混迷が記事の中心だった。混乱の原因は監督だ。匿名希望のスタッフによると、「コッポラは大きなシークエンス撮影なのに何の計画も立てず、スタッフにも計画を立てることを許さなかった。しかも何時間もトレーラーに座り続け、誰とも話さず、マリファナを吸い続け......何も撮影されないまま何時間も過ぎていくことがよくあった」とのこと。スタッフや出演者を何時間も待たせた挙句、意味不明なことを言い出すこともあったというから、『地獄の黙示録』(1979)撮影中と同じくメンタルに支障をきたしていたのかもしれない。