【啓蟄が怖い】「虫退治はアンタだろ?」男女平等派なのに、G退治だけは押し付け。イヤな家事から逃げまくる妻への「抑え難い違和感」
電通総研が実施したジェンダーに関する意識調査によると、「家庭において男性の方が優遇されている」と答えた女性は調査対象者全体の約52%。 一方で、男性が約22%と、男女間で意識に大きな違いがあったという。 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は家庭内での公平・平等についてこう語った。 「夫婦間では、家庭内での細々とした役割決めがうまく行かずに揉めごとに発展する場面も多いようです。ちょっとしたボタンのかけ違いから家庭内不和に繋がることもあります。 それぞれの家庭で険悪にならずに『対等感』を得るには、お互いの得手不得手も考慮した上での役割分担が必要です」 ・・・・・・・・・・・・・・・ 今回お話を伺ったのは結婚3年目の34歳会社員、宮下晴斗さん(仮名)。 「うちの妻の会社はリモートOKだったり残業がほぼなかったり、柔軟でイマドキな職場です。一方の僕の勤務先は老舗の製造業。残業が多かったり、先輩がまだ仕事しているから帰りづらいとかそういうのもあったり、だいぶ彼女とは違います。 でも、家事はしっかり折半。年収は僕の方が200万ほど多いですね」 妻の方が時間に余裕があり収入も自分の方が多いのに家事は完全平等、と説明する言葉の端々にトゲがある。 現状が不服なのだろうか? 「まあ、今どきは家事折半なんて珍しくないですもんね……すみません、でも本音を言うと、ちょっと家事負担の比重は考慮してほしい。労働時間とか作業内容の重さは、夫婦間で比較にならないほど差がありますし」
しかし、「大変さ」の基準は人それぞれであり、時間や収入などの数字だけでは測れない。 それゆえ家事は平等に負担を分け合おうというのが妻の提案だった。 「結婚する時に時間をかけて話し合い、家事をしっかり平等に分けたんです。今も一応そのルールを守っていますけど、やはり僕の中では納得できていません」 晴斗さん夫婦の生活では、買い物・炊事と食後の片付け・洗濯・ゴミ捨て・掃除といった主立った家事を「大家事」と呼び、曜日ごとに分担を設定しているそう。 ほぼ完全に半分ずつ負担している形だ。 「それに対して、不定期に行う細かな部分の掃除、晩酌やコーヒーの準備、家電の設定や管理、電球・電池の交換、冠婚葬祭絡み、ちょっとした家具の移動や町内会に関する用事といった雑務を「小家事」と呼んでいます。 小家事についてはその時にできる方がやろうと、最初に決めたんですね」 春斗さんは、本音では「大家事」の負担割合にも不満があるが、もうひとつの不満は妻が「小家事」のほとんどを春斗さんに押しつけることだという。 その時にしばしば「男の方がうまい、向いている」などという余計なセリフがついてくるのだそう。 「高い所の埃取りをする時とか、エアコンのフィルター掃除をする時は、春くんの方が背が高いからやってよと。踏み台使えば誰でも届く場所なのに。 あと、PCやテレビを買った時の初期設定も、『電気系は男子に頼むに限る』とか言ってやらせようとしましたし、実際僕がやりました。苦手な方だから何時間もかかってしまって……。 何なんでしょうね、電気系は男子の仕事って」 都合よく細かな家事を押しつける妻に、不満を覚える春斗さんを、さらに驚愕させたのが、彼女の持っているある倫理観だった。 「いつもは男女平等論者なのに、G退治だけは【男の仕事】だといって譲らないんです。僕だってGは鳥肌が立つほど嫌なんです。これっておかしくないですか?? 今年も啓蟄が怖いんです」 後編では、難しい家事分担に加えて、夫婦間で一番の問題となっている恐ろしい「虫問題」について詳報していく。 取材/文 中小林亜紀