被爆体験者に受給者証発送 長崎市、新医療助成で順次 20日までに1719人申請
国の指定地域外で長崎原爆に遭った「被爆体験者」に対して被爆者と同等の医療費を支給する国の新事業で、長崎市は27日、最初の審査で交付が認められた308人に医療費受給に必要な「第2種健康診断特例区域医療受給者証」を発送した。 市は今月から申請を受け付けており、20日までに1719人が申請。このうち322人の診断書などを24日に医師5人が審査し、309人(うち1人死亡)は医療費受給が適当と認められ、13人が保留となった。他の申請者も来月以降に随時審査する。一定の疾病要件を満たす人には、すみれ色の受給者証が順次届く。 新事業の対象は、造血機能や肝機能など11種類の障害のいずれかを伴う疾病がある人(原爆投下時に胎児だった人を含む)。先天性疾病などを除くほぼ全ての医療費が公費負担となる。 これまで体験者支援事業の対象疾病は、被爆体験に基づく精神疾患や合併症などに限られていたが、9月に岸田文雄首相(当時)が拡充を表明。一方、今も原爆放射線の健康影響は認めず、被爆者健康手帳は交付していない。