ジュニアかSGか!? メグロの軽二輪が60年ぶりに復活!! 快活な走りが味わえる
重いクランクでゆとりある低速トルクを獲得
SOHC2バルブ空冷単気筒エンジンは、ボア67.0×ストローク66.0mmで232ccの排気量。スロットルレスポンスを過敏にせず、穏やかで落ち着いたトルクフィールを獲得するため、高い慣性モーメントを発揮する重いフライホイールを採用しています。
低回転域で十分なトルクを発揮するカムプロフィールにし、エンジンストールしにくいECUセッティングが施されました。 滑らかな回転フィールとしているのは、ギヤ駆動のバランサーによるところが大きく影響し、6速トランスミッションはつながりの良いギヤレシオを追求。ロングな二次減速比で、快適なクルージングを実現しています。 低回転で粘り強くトルクを発揮しつつ、中高回転では元気よく回っていく。メグロジュニアがそうだったように、ブン回して爽快なスポーツバイクとしての一面も持ち合わせています。 開発リーダーの高谷聡志さんは、サウンドにもこだわったと教えてくれます。マフラー内部をストレート構造にし、パンチングの数や密度をメグロJモデルに酷似したものにしています。
車体もエンジンも美しい
エンジンは造形の美しさにこだわりました。フィンの先端に切削加工を施し、光が当たると輝く仕上げに。シリンダーはカワサキ250メグロSGの鋳鉄シリンダーをイメージし、黒に塗装しています。
往年のメグロを踏襲するかのように、車体全体を水平基調のフォルムとしながら、各部にエレガントな曲線を加えています。クランクケースカバーを曲面で構成し、滑らかにアールを描く形状としました。 速度計とタコメーターは二眼式で、ホワイトとブラックを使い分けたシンプルなデザインの文字盤。レトロなカタカナ書体で記された「メグロ」のロゴが、クラシカルなムードをよりいっそう醸し出しています。 計器類のレトロムードを邪魔しないように、小型液晶ディスプレイを埋め込みました。オド/トリップメーカーや時計を切り替え表示し、十分な機能性を持たせています。 カタカナ書体の「メグロ」ロゴは2連メーター内だけでなく、サイドカバーにも入りますからファンにはたまりません。
エッジ処理を施したスチールフェンダーやバフ仕上げのステンレス製エキゾースト、スポークホイールなど上質感があり、オーナーの所有感を満たすことでしょう。 メグロの250ccモデルが、心揺さぶるスタイリングで60年ぶりに復活。車体本体価格は72万500円です。人気にならないわけがありません。 カワサキ『MEGURO S1』の価格(税込)は、72万500円です。
青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)