週7で塾通い「不器用な姉と器用な弟」のその後 東大に合格したのはどっち?
「不器用だけど努力できる」姉と「器用だけど飽きっぽい」弟
石井「姉に対して『頭がいい人』という印象はなく、どちらかというと"不器用な人"という感じでした。母の話だと、お稽古でも姉と僕と同じことをやらせても最初に覚えるのは僕のほうが早くて、姉は覚えが悪かったようです。 でも、姉は努力をコツコツといつまでも続ける能力があるって感じでしたね。ピアノでも姉より僕のほうが覚えがよく、親にも先生にも才能があるから続けたほうがいいといわれましたが、僕は飽きてしまって辞めました。 母が言うには、公園に行っても遊具でうまく遊んだり、友達を作ってくるのは僕のほうで、姉は母のそばで砂をいじっているだけといった感じだったと聞いています。 記憶に残る中で僕も姉に対して『すごいなー天才的だな』と思ったことはなかったような気がします。そんな姉だからこそ、受験勉強することなく付属の大学に進学できる高校でも、一人黙々と受験勉強に打ち込むことができたんだと思います」 きょうだいを比べることはなかったというご両親ですが、きょうだいがそれぞれの道で独立するタイミングで、母親の価値観との相違があることが見えてきたそうです。
母の言葉にきょうだいの結束強まる
「東大卒業後、姉は遺伝子関連の研究に没頭していました。研究の話を聞いたことがあるんですが、作業的なことを毎日やってるらしくて…努力型の姉だからできるんだなぁと感心しました。 ただ母の考えは違っていて『せっかく東大に入ったんだから、もっとお金を稼げる会社で働けばいいのに』と言ってました。母は、思い込みが強いほうなので僕が芸人を目指したときもすぐには受け入れることができず、『そんなんで生活できるようになるの?いつやめるの?』っていう感じでしたからね。 母が僕と姉にとって共通の壁となって、僕と姉の結束が強まった感じがあります(笑)」 お姉さんは博士号取得後に研究のために製薬会社で勤務に変わり、石井さんは、YouTubeチャンネル『僕らの別荘』が人気を博した現在、ご両親も見方が変わり認めてくれるようになったそうです。 「以前、母に『あなたが望むことをやり続けて我慢している子どもより、やりたいことを楽しくやる子を見たほうがよくないですか?』と言ったことがあります。その時の僕の言葉の意味を分かってくれたんじゃないかなと思ってます。 今度、僕の誕生日を祝ってくれるというので実家に帰るのですが、この数年なかったことなので、ついに認めてもらったのかなとうれしいです」
シドニー石井(石井航平)