突如始まった国産SNS「mixi2」はXからの避難先となりえるか…ITライターが1週間使って感じた将来性
国内ユーザー数6700万人といわれるSNS「X」(エックス)。そのシステムに似た短文投稿SNS「mixi2」をMIXI社がローンチした。ITライターの山下達也さんは「実際にmixi2を使ってみたところ、Xよりコミュニティが活発など、コミュニケーションの場として機能しそうだ」という――。 【画像】mixi2では「やさしいことばで返信しよう」というメッセージが出る ■12月16日、国産SNS「mixi2」が突然のローンチ 2000年代後半に一世を風靡した国内SNSの草分けであるmixi(ミクシィ)が復活した。mixi自体は今でも運営中なので「復活した」というと語弊があるが、その名を冠したX(旧Twitter)ライクな短文SNS「mixi2」が、2024年12月16日に突如リリースされたのだ。その登場は、かつてmixiにハマったアラフォー&アラフィフ世代を大いにざわつかせ、1週間足らずで120万人もの新規ユーザーをかき集めてしまった。令和の今、再びmixiの時代がやってくる?のか。 「マイミク」「足あと」「日記」「コミュニティ」など独自の機能で、国内独自のSNS文化を生みだした「mixi」。2010年代にTwitter(現X)やFacebookなどのグローバルSNSに人気を奪われてしまったものの、今でも当時の空気を懐かしむ人は少なくない。 特に昨今、SNSを舞台に繰り広げられる政治的対立や陰謀論、デマ、アダルト要素のある低品質な広告の蔓延は目に余るレベルで、すっかり疲れ果ててしまったという人も多いのではないだろうか。筆者の周りでもSNSと距離を置く人が明確に増えている印象だ。こうした風潮は、特にTwitterがイーロン・マスク氏に買収され(2022年)、Xになって以降、猛烈に加速しているように感じる。 そうした中、まさかのサプライズとなったのが「mixi2」の登場だ。mixi2はそのコンセプトを「SNS=危ない、怖いと言われることがある中、mixi2は楽しい、優しい、ほっこりとした場になればと考えています」(「mixi2」アプリ「よくある質問」より)と説明。ネガティブな情報ばかりが流れてくるSNSへのアンチテーゼ的存在を目指すと謳っている。 ■名前は同じだが、mixiとは完全な別サービス そんなmixi2だが、名前こそ同じものの、現在も運営されているmixiとは別サービスとして提供されており、ユーザーIDも共有されていない。機能的にも全くの別モノで、むしろXをそのまま置き換えたような(言葉を選ばずに言えば、ほぼパクった)サービスとなっている。 昨今、Threads、Misskey.io、Blueskyなど、荒廃するXから逃げ出した人を対象とする短文SNSの立ち上げが流行っているが、mixi2もそうした選択肢のひとつ。ただし、後発ということもあって、機能面では当初からひと通りのものが揃っている。機能アップデートも精力的に行われており、引っ越し先としてはかなり有望な選択肢と言えそうだ。 なお、その開発はmixi創業者にして、現在はMIXI取締役ファウンダー上級執行役員を務める笠原健治氏が主導しているとのこと。機能は大きく異なるものの、そういう意味ではmixiの精神的後継SNSと言って良さそうだ。