【オーストラリア】豪3Q設備投資1.1%増、今後も増加予想
豪政府統計局(ABS)が28日に発表した2024年第3四半期(7~9月)の民間新規設備投資(季節調整値)は、438億3,800万豪ドル(約4兆3,180億円)と前期比1.1%増、前年同期比1%増となった。ウエストパック銀行のエコノミストは、今後サービス中心の経済に移行するにつれ新技術導入の重要性が増し、従来の製造ベースの経済よりも投資額の成長が加速すると予想している。【NNAオーストラリア編集部】 建築物や構造物への設備投資額は、230億2,300万豪ドルと前期比1.1%増(前年同期比1.1%減)。設備・プラント・機械への投資は、208億1,600万豪ドルと前期比1.1%増(前年同期比3.4%増)だった。 産業別では、◇資源:122億1,600万豪ドル(前期比1.9%減、前年同期比5.2%減)◇製造:37億100万豪ドル(10.4%増、2%増)◇電気・ガス・水道・ごみ処理:35億6,500万豪ドル(0.8%増、17.4%増)◇建設:25億4,900万豪ドル(1%減、8.7%増)◇卸売り:11億5,600万豪ドル(8.9%増、6.1%減)◇小売り:16億2,800万豪ドル(1.8%減、6.8%減)――などとなった。 24/25年度通期(24年7月~25年6月)の設備投資見込み額は1,782億豪ドルと、前期の見込み額から5.1%増加した。 ABSの企業統計部門を率いるユーイング氏は、「建築物や構造物への設備投資額の増加は、製造業の大規模改修や、情報メディア・通信業のデータセンタープロジェクトへの支出がけん引した」と説明。ただ、資源業で減少したため相殺された。 ウエストパック銀行のエコノミストは、「二酸化炭素排出量実質ゼロ社会への移行を含めた、経済の一世一代の構造変化が起きており、変化の最前線にいる業界ではすでに設備投資の増加が始まっている」と指摘した。