大人にとっての「正義」とは何か?【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第26回
里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール! 日本を代表するレジェンドプレイヤーの2人が、野球からの学びをライフハックに翻訳、「生き抜く知恵」を惜しげもなく大公開。連載の第26回では、「正義」に関する考え方に迫ります! 【写真】里崎智也×五十嵐亮太 対談フォトギャラリー ■法を犯さない範囲で自分が「正しい」と思ったことをする ――前回までは「努力」について伺ってきました。今回は「正義」についてお尋ねしたいと思います。仮面ライダーやウルトラマンなどの正義のヒーローに夢中になった子ども時代を経て、大人になった今、あらためて「正義とは何か?」を考えたいと思います。時代によっても、国によっても「正義と悪」の捉え方は異なります。お2人の考えを聞かせてください。 五十嵐 「正義」って、とても難しいですよね。自分にとっての正義が、他の人にとっては必ずしもそうではない。だから人間関係のトラブルが起きたり、国家間では戦争が起こったりするわけだから。いちばん怖いのは「正義の勘違い」だと思いますね。 里崎 YouTubeでも「私人逮捕」とか話題になったけど、「正義」の名の下で、それを振りかざすことはめちゃくちゃ危険だよね。まず、僕が考える「正義」の定義はシンプルなもので、「法律を犯さない範囲内で、僕自身が正しいと思ったこと」。これが正義ですね。でも、大切なのは、「里崎の正義」を他人に押しつけることはしない。その代わり、それを否定されることもイヤだけど。 五十嵐 それはわかいやすい定義ですね。でも、例えばその「里崎の正義」が、「五十嵐の正義」と食い違った場合は、どうするんですか? 里崎 今も言ったみたいに、「里崎の正義」を亮太に押しつけることはしないし、逆に「五十嵐の正義」を押しつけられても相手にしないから、別に何も問題はない。気にも留めないし、僕にとっては何も関係がないかな。 五十嵐 僕らの正義って、『ゴレンジャー』のような戦隊モノがあって、『ウルトラマン』とか『仮面ライダー』とか、明確な「悪」を倒すというところからスタートしているじゃないですか。でも、現実の世の中はそこまで明確な「悪」があるわけじゃないし、同じ人物でも、この人にとっては「善」だけど、別の人にとっては「悪」ということもあるわけだから、一方的に「善だ、悪だ」とは言い切れないですからね。 里崎 だから、まずは「自分なりの正義」をしっかりと持つことが大切になるんじゃないのかな? そして、その正義を他人に押しつけない。押しつけられたら毅然とスルーする。それだけでも、かなり生きやすくなる気がするけどね。