関西ジャニーズJr.、チェキッ娘、清竜人25――アイドルたちのセカンドキャリア
アイドルグループの宿命といえば解散だ。その後、芸能界に残って活躍を続ける者もいれば、引退して別の場所で花開く人もいる。次なる世界でアイドルたちを待ち受ける現実とはどのようなものなのか。新たなキャリアデザインに成功した男女3人を追った。(取材・文:キンマサタカ/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
アイドルからYouTuberへ
一夫多妻制のアイドルユニットとして、2014年から2017年にかけて人気を博した「清竜人25」。男性シンガー・ソングライターの清竜人と一緒にステージを彩ったのが新希咲乃(にきさきの・26、当時の芸名は清咲乃)をはじめとする女性たちだった。 「第一夫人」という肩書を与えられ、中心的役割を担っていた咲乃は、2017年6月の解散後にHIKAKINなどの著名動画クリエイターが多く所属するUUUMに移籍し、YouTuberデビューを飾った。
今でこそ芸能活動の傍ら動画配信をしたり、YouTubeに専念したりするタレントは珍しくないが、4年前の決断はファンを大いに驚かせた。その当時YouTuberという職業がタレントより一段下に見られていたことも否定できず、その選択に驚いたファンも多かったと記憶している。 「前からYouTubeが好きだったので、自分の媒体を持てることが魅力的に映ったんです。他のSNSでも発信していたけど、メイクを紹介するなら動画が一番いいと思っていました」 アイドル時から一転して、女性向けに特化した動画を投稿したところ、同世代から支持を得て、瞬く間にファンを獲得した。現在30万人近いチャンネル登録者(2021年4月時点)を誇り、トップクリエイターとして活躍する咲乃は、なぜメイクにこだわりを持つようになったのか。原点はアイドル時代にあった。
メイクの奥深さに心奪われた
彼女はアイドル時代からメイクに並々ならぬ情熱を燃やしていた。 「アイドルになって初めて他人にしてもらったメイクが自分に合わなかったからです」 初めての撮影の日。メイクを終え、モニターに映る自分の顔を見て、気持ちはどんどん沈んでいった。自分ってこんな顔だっけ……。疑問を感じたが、アイドルになったばかりということもあり、「これがアイドルのメイクなんだ」と自分に言い聞かせた。いま思えば、全体的にメイクが濃いわりにはまつげだけ薄かったりとメイクのコンセプトがチグハグだったと感じた。 「いくつかの現場を経験するうちに気がついたんです。メイクにも技術があることに。素材を生かすも殺すも腕とコスメ次第。気がついたらメイクが楽しくなって、自らもコスメグッズを購入して実際に試すようになりました」 数カ月後、本番前のメイクルームでプロにメイクをしてもらうメンバーたちの横で、セルフメイクに勤しむ咲乃の姿があった。