亜希の”ふたはのせるだけ”特大弁当作り続けた「山あり谷あり」18年、息子ふたりの成長記録
「そもそも、ふた、閉める気なし!」
運動部所属の高校生男子の弁当とは、どれくらいが適量なのか。 筆者の家では、現在大学生の息子が高校でバレー部に所属していた頃、毎朝3合のご飯が弁当だけで消えた。 時々、息子から「うちの弁当は、ご飯とおかずの量のバランスが悪い。おかずが少なくて、白飯だけ食べることになる。もっとおかずを入れて」などと言われると、2合のご飯(1合はおにぎり用)に相応のおかずなんて、作るのも詰めるのも容易じゃないんだ‼ とぷりぷりしたものだった。 【写真】亜希さんの「ふたの閉まらない特大弁当」の完成までを連続写真で見る 先月発売された『亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当~母ちゃんと息子2人、笑いと涙の18年の弁当記録~』(亜希 監修 / オレンジページ)を見て、当時の自分の母親としての懐の小ささを思い知った。 亜希さんが運動部に所属する2人の息子さんのために作っていたのは、超特大サイズの超超大盛りの、ふたをのせるだけの弁当だった。 本の「はじめに」にはこうある。 ――そもそも、ふた、閉める気なし! のせるだけ(笑)。 そんな大ざっぱな性格と、さらにおなかいっぱい食べさせたいという暑苦しい思いが重なって、ここに着地。 もちろんお弁当箱を大きくすればすむけど、個人的にこのビジュアルを楽しみたい。 きちんと閉めようとすると私らしいお弁当は作れない。それと、息子たちに、うちの母ちゃんの弁当ってほかと違う、と記憶に残したい……いわば、一方通行の片思い。 なんて愛情あふれる母ちゃんの言葉だろうか。 また、「母ちゃん」は中学生の次男が、学校の朝練に行く前に、毎朝早起きして5キロ走り、10階の自宅まで階段を駆け上がって帰ってくる姿を見守りながら、こうも綴っている。 ――母ちゃん、寝てはいられない。いっしょに早起きして応援したくなる。少しでもエネルギーになるように、いい筋肉がつくようにと願いながら、お弁当を作ります。 これくらいしかできないけれど、せめて体をつくる源である食事だけは。 そんな応援のつもりでお弁当を作りつづけてきた。 確実に、そう。