マグロ初競り歴代2位の2億700万円! 釣り上げた青森・大間の漁師は工務店社長もこなす「二刀流」
東京・豊洲市場で5日に行われた初競りで、青森県大間産の276キロのクロマグロが2億700万円の歴代2位の最高値で競り落とされた。 巻き網漁の乱獲危惧 松方弘樹さん「マグロ守って」の遺言(2017年) 最高値の「一番マグロ」を延縄漁で釣り上げたのは漁師歴約25年の竹内正弘さん(73)。意外にも漁師デビューは40歳を過ぎてからだった。竹内さん本人に聞いた。 「もともと私は漁師の息子で(漁の)経験はあったのですが、漁師にはならずに中学卒業後、大工の修業に出たんです。その後、修業を続け、35歳の時に会社を立ち上げました」 竹内さんの奮闘の甲斐あってか、今では工務店は約50人の従業員を抱えるほどに成長。40代半ばを越えた頃に、趣味半分で船を出すようになったという。 「私にはゴルフなどの趣味もなかったので、業者さんたちとの“接待代わり”に釣り船感覚で船を出すようになったんです。今でも会社の社長はやっていますが、長男に会社を任せられるようになり、いつの間にやら漁師が本業のようになりました(笑)」
「嘘でしょ」と驚いた
“釣り船”感覚で始めたというマグロ漁師だが、竹内さんが「一番マグロ」を取るのは今回で8回目となる。2016~18年は3年連続で一番マグロを釣り上げている。 「今回、最高値を付けたのは今月4日に延縄で釣り上げたマグロです。船に引き上げた時に(マグロの)体格を見て“これは勝負になるいいマグロだな”と思いました。ですが、今年の初競りは大間漁協から史上最多の127本が競りに出されていたので、必ずしも一番マグロが取れる保証はありませんでした」 初競りが始まった5日は朝5時前から自宅で待機し、約1時間後の6時過ぎごろに仲卸から吉報が届いたという。 「これまでも一番マグロを取ったことはありましたが、1億円を超えたことはありませんでした。ですから、仲卸さんから、“1キロ75万円、276キロで2億700万円で落とされました”と聞いた時には正直“嘘でしょ”って驚きました」 これまでもマグロ漁で得た収入を「何か恩返しできれば」との思いで、漁でゆかりのある能登半島地震などにも義援金を送ってきたという竹内さんだが、今後は、「年齢も73歳になりますから、のんびりと(漁師を)やっていきたいですね」と話している。 ◇ ◇ ◇ 2024年の初競りでは青森県大間産の238キロのクロマグロが1億1424万円で競り落とされた。「一番マグロ」を釣り上げたのは漁師歴約30年、「第57大運丸」船長の菊池正義さん(57)とはどんな人物なのか? ●関連記事【もっと読む】『豊洲初競りで1億1424万円!一番マグロを釣り上げた漁師歴30年「伝説の凄腕」』もあわせてどうぞ!