性的マイノリティーの人が生きやすい環境作り 企業ができることは?
■企業がなすべきことは
次のセッションではパナソニックコネクトの山口有希子氏が「企業は従業員がいきいきとパフォーマンスできる環境作りに取り組まなくてはいけない。そして、社会にインパクトを与えることができる。企業は(多様性推進の)活動を経営戦略として、必要だからやるのであり、クレームには動じないという意思の強さがないと継続は難しい」と述べました。 そして、トップ1人の思いでなく「複数の経営者の責任として、システムを含め、多様性を認めるカルチャーを作ることが大切。そのためには、常日頃から、一生懸命続けるしかない。さらにそれを内外に開示して、皆で学び合う姿勢が大切だ」と語りました。 一般社団法人fair代表の松岡宗嗣氏は「企業側が当事者の思いを知ることや専門的な知見を集めることが重要だ。性の多様性への批判や差別、偏見のような意見が寄せられた場合でも、知見があれば、この意見は受けとめるけど対応はしないなど判断できる。知見が企業内のカルチャーに染みこんでいると経営陣が動じないのではないか?また性的マイノリティー当事者が企業の経営や企画立案にかかわれる立場になっていくと変わっていくのかもしれない」と述べました。 さらに「大統領選挙の取材でアメリカに行っていたが、トランスジェンダーへのバッシングが激化し、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)への逆風が吹き始めている。生活や企業活動も政治と無関係ではなく、つながっている。1人1人が安全に生きられるため、何ができるかに立ち返り、様々な人権を守っていきたい」と話しました。
■PRIDE企業認定とは
このイベントを主催した一般社団法人work with Prideは、LGBTQの人々が自分らしく働ける職場づくりを進めるための情報を提供する団体で、2016年には「PRIDE指標」を策定しました。指標には、企業として性的マイノリティーに関する方針を明文化し公開している、このテーマで意見交換する社内コミュニティがある、全従業員への研修、社内制度整備など様々な項目があり、応募してきた企業などのうち、これらの項目を満たした場合に認定しています。 今回は、一番厳しい条件を満たした「ゴールド」認定が、日本テレビ含む823社、次に厳しい「シルバー」81社、「ブロンズ」53社、「ゴールド」の企業で、さらにセクターを超えた協働を推進している「レインボー認定」は36の企業・団体などと発表されました。