世界の一流が「金曜の午後3時」から始める“仕事” 週休2日を土曜と日曜に分けて考えるべき理由
日本のビジネスパーソンは、休日を「休息」の時間と考えて、体を休めたり、ストレスの発散を心がけたりしていますが、必ずしも思い通りにはなっていません。休みが明けても、疲れは依然として残ったままと感じている人がたくさんいると思います。 一方、世界の一流は、休日を「何もしない時間」と考えるのではなく、「積極的にエネルギーをチャージする時間」(休養)と「知的エネルギーを蓄える時間」(教養)と位置づけています。世界の一流の休み方を知って、休日の解像度を上げることは、自分の休み方を見つめ直すきっかけになります。
マイクロソフトで役員を務めた越川慎司氏の新刊『世界の一流は「休日」に何をしているのか』をもとに、3回にわたり解説します。 ■土曜と日曜を戦略的に使い分ける 世界の一流ビジネスパーソンは、土曜と日曜を戦略的に使い分けることによって、充実した休日を過ごす工夫をしています。 日本のビジネスパーソンは、土曜と日曜を「仕事がない2日間の休み」と考えて、「連続した休息のための休暇」として過ごす傾向がありますが、世界の一流は、土曜と日曜を「別々の独立した休日」と考えています。
「土曜と日曜は別々の休み」という視点を持つことで、土日の有効な使い方が鮮明になり、休日の充実度を上げることができます。 休日の目的が明確になると、ダラダラと時間を過ごして、「気がついたら休みが終わっていた……」という事態を回避することにもつながります。 「経営の神様」といわれた松下電器産業(現パナソニック)創業者の松下幸之助が「一日休養、一日教養」を唱えて、現在の週休2日制を導入するきっかけを作ったことは広く知られていますが、世界の一流ビジネスパーソンも同じ考え方をしています。
松下幸之助は、休日の活用法について、次のように語っています。 「事業は人なり。教養がなければいい仕事はできない。しかし、普段は忙しく、時間が取れない。だから1日は休養、そしてもう1日は教養の時間にせよ」 この言葉は、休み方の「核心」を突いたアドバイスといえます。現代のビジネスパーソンの休日には、「休養」と「教養」が必要であり、この2つを意識することによって、いい仕事ができる……と教えてくれているのです。