100回目の早明戦を前に両監督に聞く(下) お互いを「宿敵」「ライバル」…相手がいてこそ成長し続けた100年
神鳥「人々をワクワクさせる試合であり続けて」
神鳥 個人的には、変わらずあり続けてほしいっていうのが率直な思い。早明戦という特別な試合に多くの人がワクワクしたり熱狂したりする環境って、ずっとあり続けてほしいなあと思います。 今、現役の大学生が、コロナの影響とかもあって、観客がちょっと減ってる。去年の早明戦は3万人ぐらい。やっぱり5万、6万集めて両校の大学生たちが必死になって応援して、それを見てるOBたちも熱くなって、ラグビー好きもそこに集って、わちゃわちゃやる。こういう空間がすごく僕は素敵だと思います。ラグビーに興味がなくても早明戦だけは行ったことがあるという人がたくさんいますので、それが潜在的なラグビーファンになるきっかけにもなる。だから早明戦は、1年に1回の大切な試合としてあり続けてほしいなと思います。 ―昔のチケット争奪戦、すごかったです。 我々の頃ピークでしたよね。我々も1年生のとき(チケット売り場の行列に)並ばされました。徹夜で渋谷で。協会から振り分けられる両チームのチケット枚数じゃ足りなくて。昼間練習が終わって夜7時か8時ぐらいに渋谷に合流して。今の時代の感覚ではあまり良くないと思われるかもしれませんが、当時は、先に並んでくれてた方とバトンタッチして1年生がそこで朝まで寝る。本当にいい時代だったなと思います。 もっと学生たちに戻ってきてほしい。(今の学生は)コロナの影響で(早明戦を)見たことがなかった子たちが今上級生になっている。学生たちの盛り上がるイベントとして、楽しさを伝えられたらいいなと思います。この100回という機会に。
神鳥「男女がイコールの時代。女子の早明戦もいずれは」
―変化といえば、早稲田大学には今年から女子部ができました。将来的に明治大学に女子部ができて、男子と同じ日に国立で「女子の早明戦」開催という可能性はあるでしょうか? 神鳥 面白いですよね。めちゃくちゃ問い合わせがあったんですよ。(早稲田に女子部発足という)記事が出た直後、「明治は作らないんですか」と。今年の1年生で高校でラグビーをやってた女子学生が、「明治にもできるなら入りたい」って志望してきたり。 私の一存で話せる話ではないんですけど、私見としては、いずれ出来るんじゃないかと思います。男子も女子もイコールな世の中になってきている。いずれこういった話が出てくるのではという話はOBの方々もしていました。「いつ」と確約はできないが、OBとか明治が能動的に動き出すと、ばっと早くいくかもしれないです。 世の中は、「男だから」とか「女だから」っていうのはどんどんなくなってきてる。ただ、ここ(八幡山のクラブハウス)だって、女子マネージャーは可哀想ですけど、女子トイレの数って圧倒的に少なくて、女子のロッカーもなかったり。そういう対応は必要ですけど、どんどん時代の流れに合わせて変化していくんじゃないですか。女子マネだって(以前は)明治にはいなかったですから。 最近は明大ラグビー部のOB会という表現から、OBOG会っていう、公にもそういう表現に変わりました。性別問わず、関わってくれた人はOGとして正式にちゃんと認めていく流れになっています。