39歳にして平均飛距離は300y超 塚田陽亮が“老いない”ワケ「学びの姿勢は常に持っているつもり」
<パナソニックオープン 2日目◇20日◇有馬ロイヤルゴルフクラブ(兵庫県)◇7100ヤード・パー72> ホワイ?【写真】 39歳ながら、今季のドライビングディスタンスが300.75ヤードの13位と若手に負けない飛距離を持つ塚田陽亮が、7バーディ・2ボギーの「67」をマーク。トータル10アンダー・8位タイで3日目に進む。 初日も5アンダーで回り、21位タイで迎えた2日目はインからスタートし、まずは13番で2メートルのバーディパットを沈める。すると14番パー3では7ヤードからチップイン、15番パー5では2オン狙いの2打目がグリーン奥のエッジに外れたが2パットでカップインし、3連続バーディを奪った。 前半だけで3つスコアを伸ばして後半へ突入すると、折り返し後の1番ですぐにバーディを奪うなど後半もスコアを伸ばし、上位に浮上した。今週はラフが深くティフトンと野芝が入り混じる難しいセッティングになっており、どの選手もフェアウェイキープに徹している。 そのなかで塚田は「ラフがやばいからフェアウェイに絶対打たなきゃいけないと思うと、萎縮してしまう。OBさえ打たなきゃいいや、みたいな。打てるところにあれば別に打てるので」とベテランらしい余裕をスコアにつなげた。「入ってもいいところと入れではいけないところだけは明確に。それだけ考えてやっている」。その余裕は練習ラウンドで事前のチェックを入念にし、戦略を立てて挑んだことで生まれるものでもある。 2008年にプロ転向し、今年でプロ16年目。16年には「日本ゴルフツアー選手権」を制し、同年には海外メジャーの「全英オープン」にも出場している。先週の「ANAオープン」は8位タイ。ショットの調子が安定した状態で、8年ぶりとなる通算2勝目も見える位置で週末を迎えることができた。 8月の「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント」、「フジサンケイクラシック」、「Shinhan Donghae Open」でも初日に好スコアを挙げているが、心境の変化がそれにつながっている。「もう40(才)近くなってきているので、そんなに一喜一憂もしなくなってる」。若いころに比べてプレー中のメンタルコントロールの成熟をひとつの理由にあげる。現在、4季連続でシード権も保持。その腕が錆びることはない。 「そういうのが、メンタル的にもいいのかなと思う。 若い選手と回ってね、いい刺激をもらって、このツアーの舞台にまだ居ることができる。それはいいこと。学びの姿勢は常に持っているつもりなので」。時代も変わり、1回り以上歳下の選手と回る機会も増えてきたが、それが刺激につながり、年齢を重ねてもゴルフに老いを感じさせない。 ドライビングディスタンスでは、上位に20代の若手選手が並ぶなかに塚田の名前もある。39歳になっても飛距離を維持できているのは、オフの日に取り組むトレーニングが要因のひとつ。「みんな下半身を主にやっているんですけど、自分は下半身が嫌いで、上半身をメインにやっているんです。そうすると、こういうラフでも普通に打てるし、そういう部分でやってよかったかなと思います」。これも前述した余裕を生み出す理由としてある。 トップ10内で決勝ラウンドに進むのは今季初。首位とは4打差で、最終日に向けてさらにスコアを伸ばしていきたいところ。それでも「変わらずやりますよ」と変に気負う姿はない。 「やっぱり何事も楽しくやるっていうのが1番難しいことでもあり、大事なことでもある。最終日に近づくにあたって緊張ってみんなすると思うけど、でもそういう雰囲気も楽しめるようになりたいなと思いますけどね。結果なんて後でついてくるもの。楽しんだ先に結果があると思っている」 最後まで落ち着いた様子で話す姿は、“ベテランの顔”そのもの。2つ目のタイトルへ、静かに挑んでいく。(文・高木彩音)